【CLF-C02 試験対策問題 第11問】AWS CAF のパースペクティブ(構成管理・パッチ管理はオペレーション)

CLF-C02 試験対策問題 第11問 AWS CAF のパースペクティブ(構成管理・パッチ管理はオペレーション) クラウド

「パッチを当てるのだから、セキュリティの話だと思ってしまいます」
「AWS CAF のパースペクティブは6つありますが、取り組みの中身から、どれのことか絞り込めません」

AWS Certified Cloud Practitioner(試験コード CLF-C02。以下 CLF)では、AWS クラウド導入フレームワーク(AWS CAF)について、問題文の取り組みが、6つのパースペクティブ(観点)のどれに当たるかを見分ける問題が出ます。パースペクティブの名前を答えさせる形ではなく、「構成を記録する」「更新プログラムを適用する」のような、日々の仕事の言葉で問われます。

この記事は、CLF の練習問題を1問ずつ解説する連載の第11問です。問題は筆者が試験の範囲に合わせて作ったもので、実際の試験の問題ではありません。まず自分で答えを選んでから、解説を読んでください。

▶ この回の内容は、YouTube の動画(約4分)でも見られます(記事の最後にも埋め込んであります)。


問題

ある企業は、AWS CAF に沿ってクラウド導入の準備を進めています。移行した多数のサーバーについて、構成とその変更を正確に記録して管理し、ソフトウェアの更新プログラムを計画的に適用する体制を整えたいと考えています。この取り組みに対応する AWS CAF のパースペクティブはどれですか。

  • A. プラットフォーム
  • B. セキュリティ
  • C. オペレーション
  • D. 人材

答えを決めたら、下を開いてください。

正解を見る(クリックで開きます)

正解:C

構成とその変更の記録・管理は構成管理、更新プログラムの計画的な適用はパッチ管理です。どちらも、サービスを提供し続けるオペレーションのパースペクティブの能力なので、オペレーションが当てはまります。


正解は C

正解は C のオペレーションです。

  • 構成とその変更を記録して管理する → 構成管理
  • 更新プログラムを計画的に適用する → パッチ管理

どちらも、オペレーションのパースペクティブに含まれる能力です。ここから、選択肢を1つずつ見ていきます。


選択肢ごとの解説

A:プラットフォームは基盤を作る(誤り)

左はプラットフォーム(クラウドの基盤を作る)で、プラットフォームのアーキテクチャ、データのアーキテクチャ、プラットフォームエンジニアリング、CI/CD の4つ。基盤を設計して作り、構成とパッチの日々の管理は扱わない。矢印「作った基盤を」の先の右はオペレーション(運用して、サービスを提供し続ける)で、構成管理とパッチ管理が橙色。問題文の取り組みはこちら

プラットフォームのパースペクティブは、クラウドの基盤を作ることを扱います。図の左のように、プラットフォームやデータのアーキテクチャ、プラットフォームエンジニアリング、CI/CD などです。

作った基盤の構成を記録したり、パッチを適用したりする日々の運用は、図の右の、オペレーションの役目です。

B:パッチ管理はセキュリティではない(誤り)

上にソフトウェアの更新プログラム(パッチ)があり、矢印が左右に分かれる。左はセキュリティの脆弱性管理で、脆弱性を継続的に見つけ、分類して、対処する。パッチは脆弱性への対処にもなるが、迷いやすいが今回の答えではない。右はオペレーションのパッチ管理で、更新プログラムを計画的に配って適用する。問題文は更新プログラムを計画的に適用で、パッチ管理はオペレーションの能力

ここは迷いやすいところです。パッチは脆弱性への対処にもなるので、セキュリティを選びたくなります。たしかに、セキュリティのパースペクティブには、脆弱性を見つけて対処する脆弱性管理があります。

しかし、更新プログラムを計画的に配って適用するパッチ管理は、オペレーションの能力です。問題文は、計画的に適用する体制を整えたい、と言っています。これはパッチ管理です。

C:オペレーションの9つの能力(正解)

左はオペレーションの9つの能力(合意したレベルで提供し続ける)で、構成管理とパッチ管理が橙色。ほかは可観測性、イベント管理、インシデントおよび問題管理、変更およびリリース管理、パフォーマンスおよびキャパシティ管理、可用性と継続性の管理、アプリケーション管理。右は例の AWS サービスで、Patch Manager、Inventory、AWS Config。CAF は能力の整理

オペレーションのパースペクティブは、合意したレベルで、クラウドのサービスを提供し続けることを扱います。図の左のように、9つの能力からなり、構成管理とパッチ管理もその中にあります。

  • 構成とその変更を記録して管理する → 構成管理
  • 更新プログラムを計画的に適用する → パッチ管理

図の右は、実現に使える AWS のサービスの例です。Systems Manager の Patch Manager や、AWS Config などです。ただし、CAF が整理しているのは能力です。どのサービスを選ぶか、という話ではありません。

D:人材は人と組織の変革(誤り)

左は人材(人と組織の変革)で、クラウドのスキル(クラウドフルエンシー)、組織の文化、組織設計。対象は人と組織で、クラウドに合わせて人と組織を変える。中央に「≠」。右は問題文が扱うもの(移行した多数のサーバー)で、構成とその変更の記録と管理、更新プログラムの計画的な適用から下向きの矢印で、橙色の「サーバーの運用 = オペレーション」。人や組織ではなく、システムの運用の話

人材のパースペクティブは、人と組織の変革を扱います。図の左のように、クラウドのスキル(クラウドフルエンシー)や、組織の文化、組織設計などです。

問題文が扱っているのは、サーバーの構成とパッチの管理です。人や組織ではなく、システムの運用の話なので、人材は当てはまりません。

AWS CAF の6つのパースペクティブ

上の段はビジネス寄りの3つで、ビジネス(クラウドへの投資をビジネスの成果につなげる)、人材(スキル・組織の文化、組織設計)、ガバナンス(リスクを抑えて利益を最大にする)。下の段は技術寄りの3つで、プラットフォーム(クラウドの基盤を設計して作る)、セキュリティ(データとワークロードを守る、脆弱性管理など)、橙色のオペレーション(合意したレベルで提供し続ける、構成管理・パッチ管理など)

ここで、AWS CAF の6つのパースペクティブを整理しておきます。図の上の段は、ビジネス寄りの3つです。

  • ビジネス:クラウドへの投資を成果につなげる
  • 人材:人と組織を変える
  • ガバナンス:リスクを抑えて利益を最大にする

図の下の段は、技術寄りの3つです。

  • プラットフォーム:基盤を作る
  • セキュリティ:データとワークロードを守る
  • オペレーション:サービスを提供し続ける

問題文の取り組みが、作る話か、守る話か、運用する話かで見分けましょう。


ポイント

  • 構成の記録は 構成管理、更新の計画的な適用は パッチ管理
  • どちらも オペレーション のパースペクティブの能力
  • パッチ=セキュリティと早合点しない。セキュリティにあるのは 脆弱性管理
  • プラットフォームは 基盤を作る、人材は 人と組織を変える

AWS CAF の6つのパースペクティブと、それぞれの関わる人の例は、講座の記事で詳しく解説しています。

講座の全14回は、連載の入口のページから順に読めます。


動画で見る

この回の内容を、YouTube の動画(約4分)でも解説しています。

連載の全回は、YouTube の再生リスト「CLF-C02 試験対策問題」にまとめています。

連載「CLF-C02 試験対策問題」

全回の目次と、読む順番・目的別の読み方は、CLF-C02 試験対策問題の入口のページにまとめています。

  1. 第1問 初期費用をかけずに始めるコストの利点(従量課金・規模の経済)
  2. 第2問 数分でグローバルに展開(世界同時公開と低い遅延)
  3. 第3問 高可用性(EC2 の複数 AZ 配置と RDS マルチ AZ)
  4. 第4問 クラウドの俊敏性(数分で作成・すぐに削除)
  5. 第5問 責任共有モデル(EC2 へのリホストで AWS に任せられること)
  6. 第6問 数時間だけのアクセスのピークに備える(EC2 Auto Scaling・オンデマンド)
  7. 第7問 Well-Architected の6つの柱(信頼性・パフォーマンス効率)
  8. 第8問 信頼性の柱の設計原則(自動で復旧・水平方向のスケール)
  9. 第9問 持続可能性の柱の設計原則(使用率の最大化・マネージドサービス)
  10. 第10問 AWS CAF の変革ジャーニーのフェーズ(構想・連携・ローンチ・スケール)
  11. 第11問 AWS CAF のパースペクティブ(構成管理・パッチ管理はオペレーション)(この記事)
  12. 第12問 移行のビジネスケース(Migration Evaluator)
  13. 第13問 AWS CAF のパースペクティブ(役割と組織の変化は人材)
  14. 第14問 サーバーをそのまま EC2 に移す(AWS Transform MGN)
  15. 第15問 ファイルの移行(AWS DataSync)
  16. 第16問 移行戦略の7つの R(リパーチェス・SaaS への乗り換え)
  17. 第17問 適切なサイズ設定(CPU は余り、メモリが不足)
  18. 第18問 責任共有モデル(Lambda と RDS)
  19. 第19問 最小権限の原則(IAM のポリシーと SCP)
  20. 第20問 責任共有モデル(EC2 と S3、AWS の責任)
  21. 第21問 共有統制の例(責任共有モデルの IT 統制)
  22. 第22問 コンプライアンスの資料と契約(AWS Artifact)
  23. 第23問 脅威の検出(Amazon GuardDuty)
  24. 第24問 脆弱性の継続的なスキャン(Amazon Inspector)
  25. 第25問 S3 の機密データの検出(Amazon Macie)
  26. 第26問 S3 の保管時の暗号化とキーの管理
  27. 第27問 だれが操作したかを調べる(AWS CloudTrail)
  28. 第28問 IAM ユーザーの認証情報の一覧(認証情報レポート)
  29. 第29問 EC2 のアプリケーションに権限を与える(IAM ロール)
  30. 第30問 データベースのパスワードの自動ローテーション(AWS Secrets Manager)
  31. 第31問 社員に一時的な認証情報を発行するサービス(AWS STS)
  32. 第32問 ルートユーザーでなければできない作業(アカウントの閉鎖・メールアドレスの変更)
  33. 第33問 アプリの会員のサインインとソーシャルログイン(Amazon Cognito)
  34. 第34問 同じ IP からの大量のリクエストを止める(AWS WAF のレートベースのルール)
  35. 第35問 追加料金なしの DDoS 保護(AWS Shield Standard)
  36. 第36問 他社のソフトウェアを AMI で使う(AWS Marketplace)
  37. 第37問 インストールなしでブラウザから AWS CLI を使う(AWS CloudShell)
  38. 第38問 同じ構成の環境をコードで何度でも作る(CloudFormation・CDK)
  39. 第39問 工場の中で AWS のサービスを動かすには(AWS Outposts)
  40. 第40問 世界の利用者の近くでキャッシュして配信(Amazon CloudFront)
  41. 第41問 コードを上げるだけで Web アプリを動かすサービス(AWS Elastic Beanstalk)
  42. 第42問 サーバーを管理せずにコンテナを動かす(AWS Fargate)
  43. 第43問 URL のパスで振り分けるロードバランサー(Application Load Balancer)
  44. 第44問 つながりを何段もたどるグラフデータベース(Amazon Neptune)
  45. 第45問 RDS の自動フェイルオーバーと読み取りの分離(マルチ AZ・リードレプリカ)
  46. 第46問 サーバーの管理なしにアクセスの増減に合わせるデータベース(Amazon DynamoDB)
  47. 第47問 セキュリティグループの特徴(ステートフル・インスタンス単位)
  48. 第48問 障害のときだけ別のリージョンへ DNS で切り替え(Route 53 のフェイルオーバールーティング)
  49. 第49問 今あるインターネット回線で、すぐに暗号化してつなぐ(AWS Site-to-Site VPN)
  50. 第50問 一部の管理者だけは解除できる削除の保護(S3 オブジェクトロックのガバナンスモード)
  51. 第51問 めったに見ないがミリ秒で開く画像の保管(S3 Glacier Instant Retrieval)
  52. 第52問 Windows のファイルサーバーを移す(Amazon FSx for Windows File Server)
  53. 第53問 案内文を翻訳して音声で読み上げる(Amazon Translate と Amazon Polly)
  54. 第54問 S3 のデータをカタログにして SQL で照会(AWS Glue と Amazon Athena)
  55. 第55問 依頼をためて、受け付けた順に1回だけ処理(Amazon SQS の FIFO キュー)
  56. 第56問 設備を買わずに電話とチャットの窓口を作る(Amazon Connect)
  57. 第57問 EC2 と自社のサーバーに少しずつ配置し、失敗したら戻す(AWS CodeDeploy)
  58. 第58問 アプリだけをブラウザに配信(WorkSpaces Applications・旧 AppStream 2.0)
  59. 第59問 コア単位のライセンスを持ち込み、同じ物理サーバーで動かす(EC2 の専有ホスト)
  60. 第60問 EC2・Fargate・Lambda と夜間のバッチのコスト削減(Compute Savings Plans・スポット)
  61. 第61問 管理者も外せないリージョンの制限と、請求書の一本化(AWS Organizations の SCP)
  62. 第62問 1つのアカウントの料金をプロジェクトごとに分ける(コスト配分タグ)
  63. 第63問 料金のグラフと予算超えの通知(Cost Explorer・Budgets)
  64. 第64問 アカウントを作る前に料金を見積もる(AWS Pricing Calculator)
  65. 第65問 ベストプラクティスに合わない所を自動で見つける(AWS Trusted Advisor)
  66. 第66問 AWS 側の保守の予定を前もって知る(AWS Health Dashboard)
  67. 第67問 アクセスに合わせて台数を自動で増減する(Amazon EC2 Auto Scaling)
  68. 第68問 パフォーマンス効率の柱の設計原則(高度なテクノロジー・グローバル展開)
  69. 第69問 移行戦略の7つの R(リタイア・使われていないアプリを停止)
  70. 第70問 AWS CAF のパースペクティブ(支出とデータの統制はガバナンス)
  71. 第71問 ライセンスを持たずに SQL Server を使う(RDS のライセンス込み)
  72. 第72問 EC2 と自社のサーバーのパッチを自動で当てる(AWS Systems Manager Patch Manager)
  73. 第73問 障害の教訓を共有し、運用の手順を見直す(運用上の優秀性の設計原則)
  74. 第74問 設定の履歴を記録し、社内ルールに合わないリソースを「非準拠」にする(AWS Config)
  75. 第75問 S3 へのアップロードごとに短い処理をサーバーレスで動かす(AWS Lambda)
  76. 第76問 12のアカウントと SaaS に1回でサインイン(AWS IAM Identity Center)
  77. 第77問 インターネットを通らずに、帯域とレイテンシーを安定させる(AWS Direct Connect)
  78. 第78問 途中でファミリーを変え、前払いできない RI の選び方(コンバーティブル・前払いなし)
  79. 第79問 セキュリティの検出結果を集めて設定もチェック(AWS Security Hub CSPM)
  80. 第80問 AWS CAF のパースペクティブ(イノベーションとデータの収益化はビジネス)
  81. 第81問 特定の IP アドレスの範囲を、サブネットの入り口で拒否する(ネットワーク ACL)
  82. 第82問 組織の外と共有・一般に公開されているリソースを一覧にする(IAM Access Analyzer)
  83. 第83問 複数の AZ の EC2 から NFS で同じファイルを共有する(Amazon EFS)
  84. 第84問 ルートユーザーの守り方と日常の作業(MFA・IAM Identity Center)
  85. 第85問 一括請求の料金の利点(ボリューム料金の階層・リザーブドインスタンスの割引の共有)
  86. 第86問 数ペタバイトの販売データをまとめて毎日集計する(Amazon Redshift)
  87. 第87問 OS のパッチを自社で当てなくてよい移行先(Amazon RDS・AWS Lambda)
  88. 第88問 移行戦略の7つの R(リプラットフォーム・VM をコンテナにして ECS と Fargate へ)
  89. 第89問 GPU の学習と CPU のバッチ処理に合うインスタンスファミリー(高速コンピューティング・コンピューティング最適化)
  90. 第90問 アプリのエラーの件数と CPU 使用率をしきい値で見張り、E メールで知らせる(Amazon CloudWatch)
  91. 第91問 1回の発行で SQS・Lambda・E メールに届ける(Amazon SNS のトピック)
  92. 第92問 部署の人の権限を追加料金なしでまとめて管理(IAM ユーザーグループ)
  93. 第93問 最も詳しいコストのデータを S3 へ(AWS Data Exports の CUR 2.0)
  94. 第94問 視聴履歴とクリックから利用者ごとの動画のおすすめ(Amazon Personalize)
  95. 第95問 攻撃中の専門チームの支援と DDoS のコスト保護(AWS Shield Advanced)
  96. 第96問 AWS CAF のトランスフォーメーションの分野(業務のデジタル化はプロセス)
  97. 第97問 パブリックとプライベートのサブネットに必要な部品(インターネットゲートウェイ・NAT ゲートウェイ)
  98. 第98問 SSH・コンソール・CLI の認証情報の使い分け(キーペアとアクセスキー)
  99. 第99問 よくある質問の解決の記事を読む(AWS re:Post のナレッジセンター)
  100. 第100問 設定値を階層でまとめて追加料金なしで保管(Parameter Store)
seichan

プロフィール詳細は「プロフィール」をご覧ください。
AWS Certified Solutions Architect – Professional (https://www.credly.com/badges/fd8feb88-6f1f-42ff-a94b-445bb6661cb8/public_url)
Nutanix Certified Professional - Multicloud Infrastructure 6 (https://www.credly.com/badges/5c081bef-a425-42e4-809c-85138e676630/public_url)
Palo Alto Networks System Engineer (PSE) - Hardware Firewall Professional (https://www.credly.com/badges/69dc3880-4a51-47eb-8843-47ba6ea7d013/public_url)

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