「Well-Architected の柱の名前は、どれも当たり前の言葉に見えて、高可用性やスケーラビリティも柱に入っていそうな気がします」
「クラウドの6つの利点も、Well-Architected の6つの柱も、同じ6つなので、どちらの言葉だったか分からなくなります」
AWS Certified Cloud Practitioner(試験コード CLF-C02。以下 CLF)では、Well-Architected フレームワークの6つの柱の名前を、柱によく似た言葉の中から選ぶ問題がよく出ます。柱の中身の考え方や、クラウドの6つの利点の言葉が、誤りの選択肢として混ぜられます。
この記事は、CLF の練習問題を1問ずつ解説する連載の第7問です。問題は筆者が試験の範囲に合わせて作ったもので、実際の試験の問題ではありません。まず自分で答えを選んでから、解説を読んでください。
▶ この回の内容は、YouTube の動画(約4分)でも見られます(記事の最後にも埋め込んであります)。
問題
ある企業は、新しい EC サイトの設計を、AWS Well-Architected フレームワークを使ってレビューしようとしています。このフレームワークの6つの柱に含まれるものはどれですか。(2つ選択)
- A. スケーラビリティ
- B. パフォーマンス効率
- C. 信頼性
- D. 高可用性
- E. 俊敏性
答えを2つ決めたら、下を開いてください。
正解を見る(クリックで開きます)
正解:B と C
B のパフォーマンス効率と C の信頼性は、どちらも Well-Architected フレームワークの6つの柱の名前です。A・D・E は柱によく似た言葉ですが、柱の名前ではありません。
正解は B と C
正解は B と C です。
- B:パフォーマンス効率
- C:信頼性
どちらも Well-Architected フレームワークの6つの柱の名前です。ほかの3つは、柱によく似た言葉ですが、柱の名前ではありません。ここから、選択肢を1つずつ見ていきます。
選択肢ごとの解説
A:スケーラビリティは柱の中身(誤り)

スケーラビリティは、図の左のように、負荷に合わせて台数を増やしたり減らしたりできることです。水平方向にスケールする、とも言います。
これは、パフォーマンス効率や信頼性の柱の中で使う考え方です。図の右のように、柱の中身ではありますが、柱の名前ではありません。
B:パフォーマンス効率の柱(正解)

パフォーマンス効率の柱は、要件に合わせて、コンピューティングのリソースを効率よく使うことを扱います。図の左のように、小さすぎれば処理が追いつかず、大きすぎれば無駄が出ます。要件に合った大きさを選びます。
そして、需要や技術の変化に合わせて見直し、効率を保ち続けます。
C:信頼性の柱(正解)

信頼性の柱は、ワークロードが期待どおりに動き続け、障害から復旧できることを扱います。
たとえば図のように、複数のアベイラビリティーゾーンに分けて配置します。1台が故障しても、ほかのインスタンスが動き続け、故障した分は自動で置き換えられます。
D:高可用性は信頼性の柱の中(誤り)

高可用性は、止まりにくく、使い続けられることです。信頼性の柱で目指す性質の1つです。
図の右のように、障害から自動的に復旧する、水平方向にスケールする、といった設計原則で実現します。信頼性の柱の中身であって、柱の名前ではありません。
E:俊敏性はクラウドの6つの利点(誤り)

俊敏性は、速度と俊敏性の向上として、AWS が挙げる、クラウドの6つの利点の1つです。
図の左が6つの利点、右が Well-Architected の6つの柱です。どちらも6つなので、混同しやすいところです。俊敏性は利点の言葉で、柱の名前ではありません。
Well-Architected の6つの柱

Well-Architected フレームワークの6つの柱の名前を、正確に覚えておきます。運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化、持続可能性の6つです。
図には、それぞれの柱が扱うことを一言で添えました。今回の正解は、緑の2つ、信頼性とパフォーマンス効率です。
ポイント
- 6つの柱:運用上の優秀性・セキュリティ・信頼性・パフォーマンス効率・コスト最適化・持続可能性
- 高可用性・スケーラビリティは、柱の 中身 の考え方
- 俊敏性は クラウドの6つの利点 の言葉
6つの柱の中身と見分け方は、講座の記事で詳しく解説しています。クラウドの6つの利点(俊敏性など)は、公開済みの記事で読めます。
- 講座の第11回③「6つの柱」(連載の入口のページから)
- 【AWS クラウドプラクティショナー試験対策講座 第02回②】AWS クラウドの利点
講座の全14回は、連載の入口のページから順に読めます。
動画で見る
この回の内容を、YouTube の動画(約4分)でも解説しています。
連載の全回は、YouTube の再生リスト「CLF-C02 試験対策問題」にまとめています。
連載「CLF-C02 試験対策問題」
全回の目次と、読む順番・目的別の読み方は、CLF-C02 試験対策問題の入口のページにまとめています。
- 第1問 初期費用をかけずに始めるコストの利点(従量課金・規模の経済)
- 第2問 数分でグローバルに展開(世界同時公開と低い遅延)
- 第3問 高可用性(EC2 の複数 AZ 配置と RDS マルチ AZ)
- 第4問 クラウドの俊敏性(数分で作成・すぐに削除)
- 第5問 責任共有モデル(EC2 へのリホストで AWS に任せられること)
- 第6問 数時間だけのアクセスのピークに備える(EC2 Auto Scaling・オンデマンド)
- 第7問 Well-Architected の6つの柱(信頼性・パフォーマンス効率)(この記事)
- 第8問 信頼性の柱の設計原則(自動で復旧・水平方向のスケール)
- 第9問 持続可能性の柱の設計原則(使用率の最大化・マネージドサービス)
- 第10問 AWS CAF の変革ジャーニーのフェーズ(構想・連携・ローンチ・スケール)
- 第11問 AWS CAF のパースペクティブ(構成管理・パッチ管理はオペレーション)
- 第12問 移行のビジネスケース(Migration Evaluator)
- 第13問 AWS CAF のパースペクティブ(役割と組織の変化は人材)
- 第14問 サーバーをそのまま EC2 に移す(AWS Transform MGN)
- 第15問 ファイルの移行(AWS DataSync)
- 第16問 移行戦略の7つの R(リパーチェス・SaaS への乗り換え)
- 第17問 適切なサイズ設定(CPU は余り、メモリが不足)
- 第18問 責任共有モデル(Lambda と RDS)
- 第19問 最小権限の原則(IAM のポリシーと SCP)
- 第20問 責任共有モデル(EC2 と S3、AWS の責任)
- 第21問 共有統制の例(責任共有モデルの IT 統制)
- 第22問 コンプライアンスの資料と契約(AWS Artifact)
- 第23問 脅威の検出(Amazon GuardDuty)
- 第24問 脆弱性の継続的なスキャン(Amazon Inspector)
- 第25問 S3 の機密データの検出(Amazon Macie)
- 第26問 S3 の保管時の暗号化とキーの管理
- 第27問 だれが操作したかを調べる(AWS CloudTrail)
- 第28問 IAM ユーザーの認証情報の一覧(認証情報レポート)
- 第29問 EC2 のアプリケーションに権限を与える(IAM ロール)
- 第30問 データベースのパスワードの自動ローテーション(AWS Secrets Manager)
- 第31問 社員に一時的な認証情報を発行するサービス(AWS STS)
- 第32問 ルートユーザーでなければできない作業(アカウントの閉鎖・メールアドレスの変更)
- 第33問 アプリの会員のサインインとソーシャルログイン(Amazon Cognito)
- 第34問 同じ IP からの大量のリクエストを止める(AWS WAF のレートベースのルール)
- 第35問 追加料金なしの DDoS 保護(AWS Shield Standard)
- 第36問 他社のソフトウェアを AMI で使う(AWS Marketplace)
- 第37問 インストールなしでブラウザから AWS CLI を使う(AWS CloudShell)
- 第38問 同じ構成の環境をコードで何度でも作る(CloudFormation・CDK)
- 第39問 工場の中で AWS のサービスを動かすには(AWS Outposts)
- 第40問 世界の利用者の近くでキャッシュして配信(Amazon CloudFront)
- 第41問 コードを上げるだけで Web アプリを動かすサービス(AWS Elastic Beanstalk)
- 第42問 サーバーを管理せずにコンテナを動かす(AWS Fargate)
- 第43問 URL のパスで振り分けるロードバランサー(Application Load Balancer)
- 第44問 つながりを何段もたどるグラフデータベース(Amazon Neptune)
- 第45問 RDS の自動フェイルオーバーと読み取りの分離(マルチ AZ・リードレプリカ)
- 第46問 サーバーの管理なしにアクセスの増減に合わせるデータベース(Amazon DynamoDB)
- 第47問 セキュリティグループの特徴(ステートフル・インスタンス単位)
- 第48問 障害のときだけ別のリージョンへ DNS で切り替え(Route 53 のフェイルオーバールーティング)
- 第49問 今あるインターネット回線で、すぐに暗号化してつなぐ(AWS Site-to-Site VPN)
- 第50問 一部の管理者だけは解除できる削除の保護(S3 オブジェクトロックのガバナンスモード)

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