【CLF-C02 試験対策問題 第13問】AWS CAF のパースペクティブ(役割と組織の変化は人材)

CLF-C02 試験対策問題 第13問 AWS CAF のパースペクティブ(役割と組織の変化は人材) クラウド

「ガバナンスにも運用にも『管理』が付く言葉が多くて、社員への説明はどこに入るのか分かりません」
「問題文に運用チームと出てくると、オペレーションを選びたくなります」

AWS Certified Cloud Practitioner(試験コード CLF-C02。以下 CLF)では、AWS クラウド導入フレームワーク(AWS CAF)について、問題文の取り組みが、6つのパースペクティブ(観点)のどれに当たるかを見分ける問題が出ます。今回は、役割が変わる社員の不安に向き合う、という人と組織の取り組みが何の観点かを問われます。

この記事は、CLF の練習問題を1問ずつ解説する連載の第13問です。問題は筆者が試験の範囲に合わせて作ったもので、実際の試験の問題ではありません。まず自分で答えを選んでから、解説を読んでください。

▶ この回の内容は、YouTube の動画(約5分)でも見られます(記事の最後にも埋め込んであります)。


問題

ある企業は、AWS クラウド導入フレームワーク(AWS CAF)に沿ってクラウドへの移行を進めています。移行によって運用チームの役割が大きく変わるため、社員の間に不安が広がっています。そこで、新しい役割と組織の形を定め、影響を受ける社員への説明と意見を聞く場を設けて、新しい働き方を受け入れてもらう取り組みを始めます。この取り組みに対応する AWS CAF のパースペクティブはどれですか。

  • A. ビジネス
  • B. ガバナンス
  • C. オペレーション
  • D. 人材

答えを決めたら、下を開いてください。

正解を見る(クリックで開きます)

正解:D

新しい役割と組織の形を定めるのは組織設計、社員に説明して新しい働き方を受け入れてもらうのは変革の促進です。どちらも人と組織を扱う人材のパースペクティブの能力です。


正解は D

正解は D の人材です。

  • 新しい役割と組織の形を定める → 組織設計
  • 社員に説明して意見を聞き、新しい働き方を受け入れてもらう → 変革の促進

どちらも、人と組織を扱う人材のパースペクティブの能力です。ここから、選択肢を1つずつ見ていきます。


選択肢ごとの解説

A:ビジネスは投資を成果につなげる(誤り)

上に6つのパースペクティブが並び、ビジネスが選ばれている。左はビジネス(投資をビジネスの成果に)で、戦略管理・ポートフォリオ管理・製品管理。社員の役割や組織の変更は扱わない。「≠」の右は問題文の取り組み(新しい役割と組織の形、説明と意見を聞く場、新しい働き方の受け入れ)で、人と組織の変化は人材

図の上は、AWS CAF の6つのパースペクティブです。ここでは、ビジネスに色を付けています。ビジネスのパースペクティブは、クラウドへの投資が、ビジネスの成果につながるようにする観点です。能力の例は、図の左の、戦略管理、ポートフォリオ管理、製品管理などです。

図の右の、社員の役割や組織の形を変える取り組みは、扱いません。

B:ガバナンスは取り組みを統制(誤り)

上の6つのうちガバナンスが選ばれている。左はガバナンス(取り組みを統制する)で、プログラム管理・リスク管理・クラウド財務管理。管理という言葉に引かれやすいが、社員の受け入れは扱わない。「≠」の右は問題文の取り組みで、人と組織の変化は人材

ガバナンスのパースペクティブは、クラウドへの取り組みを統制する観点です。能力の例は、図の左の、プログラム管理、リスク管理、クラウド財務管理などです。

「管理」という言葉に引かれやすいところですが、問題文は、社員に新しい役割を受け入れてもらう取り組みです。社員の受け入れや役割の変化は、人と組織の話なので、人材の観点です。

C:オペレーションはサービスの運用(誤り)

上の6つのうちオペレーションが選ばれている。左はオペレーション(サービスを合意した水準で動かす)で、監視(可観測性)・インシデント管理・パッチ管理。運用チームが出てきても運用の手順を問う問題ではない。「≠」の右は問題文の取り組みで、問われているのは人と組織の変化(人材)

オペレーションのパースペクティブは、クラウドのサービスを、合意した水準で動かす観点です。能力の例は、図の左の、監視、インシデント管理、パッチ管理などです。

問題文には、運用チームという言葉が出てきます。しかし、問われているのは、運用の手順ではありません。役割が変わる社員の不安にどう向き合うか、つまり、人と組織の変化への対応です。

D:人材は人・文化・組織の変革(正解)

上の6つのうち人材が橙色。左は人材(人と組織の変革)で、文化・組織構造・リーダーシップ・ワークフォース。右は問題文の取り組みからの矢印が2本。新しい役割と組織の形を定めるは組織設計、社員への説明と意見を聞く場・新しい働き方の受け入れは変革の促進(影響を特定して小さくし、導入を進める)

人材のパースペクティブは、文化、組織構造、リーダーシップ、ワークフォースに焦点を当てる観点です。図の右で、問題文の取り組みを、人材の能力に当てはめます。

  • 新しい役割と組織の形を定める → 組織設計。クラウドの働き方に合わせて、組織を見直します
  • 社員に説明して意見を聞き、新しい働き方を受け入れてもらう → 変革の促進。人や文化、役割、組織構造への影響を特定して小さくし、新しい働き方の導入を進めます

人材のパースペクティブの7つの能力

人材のパースペクティブの7つの能力。文化の進化、トランスフォーメーションのリーダーシップ、青色のクラウドフルエンシー(クラウドのスキル)、ワークフォースのトランスフォーメーション、橙色の変革の促進と組織設計、組織の連携。橙色は今回の問題、青色はスキルの向上・学習の文化。注記は「人員」とも訳される(英語は People)

ここで、人材のパースペクティブの7つの能力を整理しておきます。

  • 文化の進化
  • トランスフォーメーションのリーダーシップ
  • クラウドフルエンシー
  • ワークフォースのトランスフォーメーション
  • 変革の促進
  • 組織設計
  • 組織の連携

今回の取り組みは、図の橙色の、変革の促進と組織設計でした。社員のスキルの向上や、学習の文化を育てる取り組みは、青色のクラウドフルエンシーです。これも人材の能力です。

なお、AWS の日本語の資料では、「人員」のパースペクティブと訳されていることもあります。


ポイント

  • 人材のパースペクティブは 人・文化・組織・リーダーシップ
  • 新しい役割と組織の形は 組織設計、

新しい働き方の受け入れは 変革の促進

  • スキルの向上(クラウドフルエンシー)も人材の能力
  • 「管理」「運用チーム」に引かれず、何を変える取り組みか で見分ける

AWS CAF の6つのパースペクティブのうち、人材を含むビジネス寄りの3つの観点は、講座の記事で詳しく解説しています。

講座の全14回は、連載の入口のページから順に読めます。


動画で見る

この回の内容を、YouTube の動画(約5分)でも解説しています。

連載の全回は、YouTube の再生リスト「CLF-C02 試験対策問題」にまとめています。

連載「CLF-C02 試験対策問題」

全回の目次と、読む順番・目的別の読み方は、CLF-C02 試験対策問題の入口のページにまとめています。

  1. 第1問 初期費用をかけずに始めるコストの利点(従量課金・規模の経済)
  2. 第2問 数分でグローバルに展開(世界同時公開と低い遅延)
  3. 第3問 高可用性(EC2 の複数 AZ 配置と RDS マルチ AZ)
  4. 第4問 クラウドの俊敏性(数分で作成・すぐに削除)
  5. 第5問 責任共有モデル(EC2 へのリホストで AWS に任せられること)
  6. 第6問 数時間だけのアクセスのピークに備える(EC2 Auto Scaling・オンデマンド)
  7. 第7問 Well-Architected の6つの柱(信頼性・パフォーマンス効率)
  8. 第8問 信頼性の柱の設計原則(自動で復旧・水平方向のスケール)
  9. 第9問 持続可能性の柱の設計原則(使用率の最大化・マネージドサービス)
  10. 第10問 AWS CAF の変革ジャーニーのフェーズ(構想・連携・ローンチ・スケール)
  11. 第11問 AWS CAF のパースペクティブ(構成管理・パッチ管理はオペレーション)
  12. 第12問 移行のビジネスケース(Migration Evaluator)
  13. 第13問 AWS CAF のパースペクティブ(役割と組織の変化は人材)(この記事)
  14. 第14問 サーバーをそのまま EC2 に移す(AWS Transform MGN)
  15. 第15問 ファイルの移行(AWS DataSync)
  16. 第16問 移行戦略の7つの R(リパーチェス・SaaS への乗り換え)
  17. 第17問 適切なサイズ設定(CPU は余り、メモリが不足)
  18. 第18問 責任共有モデル(Lambda と RDS)
  19. 第19問 最小権限の原則(IAM のポリシーと SCP)
  20. 第20問 責任共有モデル(EC2 と S3、AWS の責任)
  21. 第21問 共有統制の例(責任共有モデルの IT 統制)
  22. 第22問 コンプライアンスの資料と契約(AWS Artifact)
  23. 第23問 脅威の検出(Amazon GuardDuty)
  24. 第24問 脆弱性の継続的なスキャン(Amazon Inspector)
  25. 第25問 S3 の機密データの検出(Amazon Macie)
  26. 第26問 S3 の保管時の暗号化とキーの管理
  27. 第27問 だれが操作したかを調べる(AWS CloudTrail)
  28. 第28問 IAM ユーザーの認証情報の一覧(認証情報レポート)
  29. 第29問 EC2 のアプリケーションに権限を与える(IAM ロール)
  30. 第30問 データベースのパスワードの自動ローテーション(AWS Secrets Manager)
  31. 第31問 社員に一時的な認証情報を発行するサービス(AWS STS)
  32. 第32問 ルートユーザーでなければできない作業(アカウントの閉鎖・メールアドレスの変更)
  33. 第33問 アプリの会員のサインインとソーシャルログイン(Amazon Cognito)
  34. 第34問 同じ IP からの大量のリクエストを止める(AWS WAF のレートベースのルール)
  35. 第35問 追加料金なしの DDoS 保護(AWS Shield Standard)
  36. 第36問 他社のソフトウェアを AMI で使う(AWS Marketplace)
  37. 第37問 インストールなしでブラウザから AWS CLI を使う(AWS CloudShell)
  38. 第38問 同じ構成の環境をコードで何度でも作る(CloudFormation・CDK)
  39. 第39問 工場の中で AWS のサービスを動かすには(AWS Outposts)
  40. 第40問 世界の利用者の近くでキャッシュして配信(Amazon CloudFront)
  41. 第41問 コードを上げるだけで Web アプリを動かすサービス(AWS Elastic Beanstalk)
  42. 第42問 サーバーを管理せずにコンテナを動かす(AWS Fargate)
  43. 第43問 URL のパスで振り分けるロードバランサー(Application Load Balancer)
  44. 第44問 つながりを何段もたどるグラフデータベース(Amazon Neptune)
  45. 第45問 RDS の自動フェイルオーバーと読み取りの分離(マルチ AZ・リードレプリカ)
  46. 第46問 サーバーの管理なしにアクセスの増減に合わせるデータベース(Amazon DynamoDB)
  47. 第47問 セキュリティグループの特徴(ステートフル・インスタンス単位)
  48. 第48問 障害のときだけ別のリージョンへ DNS で切り替え(Route 53 のフェイルオーバールーティング)
  49. 第49問 今あるインターネット回線で、すぐに暗号化してつなぐ(AWS Site-to-Site VPN)
  50. 第50問 一部の管理者だけは解除できる削除の保護(S3 オブジェクトロックのガバナンスモード)
  51. 第51問 めったに見ないがミリ秒で開く画像の保管(S3 Glacier Instant Retrieval)
  52. 第52問 Windows のファイルサーバーを移す(Amazon FSx for Windows File Server)
  53. 第53問 案内文を翻訳して音声で読み上げる(Amazon Translate と Amazon Polly)
  54. 第54問 S3 のデータをカタログにして SQL で照会(AWS Glue と Amazon Athena)
  55. 第55問 依頼をためて、受け付けた順に1回だけ処理(Amazon SQS の FIFO キュー)
  56. 第56問 設備を買わずに電話とチャットの窓口を作る(Amazon Connect)
  57. 第57問 EC2 と自社のサーバーに少しずつ配置し、失敗したら戻す(AWS CodeDeploy)
  58. 第58問 アプリだけをブラウザに配信(WorkSpaces Applications・旧 AppStream 2.0)
  59. 第59問 コア単位のライセンスを持ち込み、同じ物理サーバーで動かす(EC2 の専有ホスト)
  60. 第60問 EC2・Fargate・Lambda と夜間のバッチのコスト削減(Compute Savings Plans・スポット)
  61. 第61問 管理者も外せないリージョンの制限と、請求書の一本化(AWS Organizations の SCP)
  62. 第62問 1つのアカウントの料金をプロジェクトごとに分ける(コスト配分タグ)
  63. 第63問 料金のグラフと予算超えの通知(Cost Explorer・Budgets)
  64. 第64問 アカウントを作る前に料金を見積もる(AWS Pricing Calculator)
  65. 第65問 ベストプラクティスに合わない所を自動で見つける(AWS Trusted Advisor)
  66. 第66問 AWS 側の保守の予定を前もって知る(AWS Health Dashboard)
  67. 第67問 アクセスに合わせて台数を自動で増減する(Amazon EC2 Auto Scaling)
  68. 第68問 パフォーマンス効率の柱の設計原則(高度なテクノロジー・グローバル展開)
  69. 第69問 移行戦略の7つの R(リタイア・使われていないアプリを停止)
  70. 第70問 AWS CAF のパースペクティブ(支出とデータの統制はガバナンス)
  71. 第71問 ライセンスを持たずに SQL Server を使う(RDS のライセンス込み)
  72. 第72問 EC2 と自社のサーバーのパッチを自動で当てる(AWS Systems Manager Patch Manager)
  73. 第73問 障害の教訓を共有し、運用の手順を見直す(運用上の優秀性の設計原則)
  74. 第74問 設定の履歴を記録し、社内ルールに合わないリソースを「非準拠」にする(AWS Config)
  75. 第75問 S3 へのアップロードごとに短い処理をサーバーレスで動かす(AWS Lambda)
  76. 第76問 12のアカウントと SaaS に1回でサインイン(AWS IAM Identity Center)
  77. 第77問 インターネットを通らずに、帯域とレイテンシーを安定させる(AWS Direct Connect)
  78. 第78問 途中でファミリーを変え、前払いできない RI の選び方(コンバーティブル・前払いなし)
  79. 第79問 セキュリティの検出結果を集めて設定もチェック(AWS Security Hub CSPM)
  80. 第80問 AWS CAF のパースペクティブ(イノベーションとデータの収益化はビジネス)
  81. 第81問 特定の IP アドレスの範囲を、サブネットの入り口で拒否する(ネットワーク ACL)
  82. 第82問 組織の外と共有・一般に公開されているリソースを一覧にする(IAM Access Analyzer)
  83. 第83問 複数の AZ の EC2 から NFS で同じファイルを共有する(Amazon EFS)
  84. 第84問 ルートユーザーの守り方と日常の作業(MFA・IAM Identity Center)
  85. 第85問 一括請求の料金の利点(ボリューム料金の階層・リザーブドインスタンスの割引の共有)
  86. 第86問 数ペタバイトの販売データをまとめて毎日集計する(Amazon Redshift)
  87. 第87問 OS のパッチを自社で当てなくてよい移行先(Amazon RDS・AWS Lambda)
  88. 第88問 移行戦略の7つの R(リプラットフォーム・VM をコンテナにして ECS と Fargate へ)
  89. 第89問 GPU の学習と CPU のバッチ処理に合うインスタンスファミリー(高速コンピューティング・コンピューティング最適化)
  90. 第90問 アプリのエラーの件数と CPU 使用率をしきい値で見張り、E メールで知らせる(Amazon CloudWatch)
  91. 第91問 1回の発行で SQS・Lambda・E メールに届ける(Amazon SNS のトピック)
  92. 第92問 部署の人の権限を追加料金なしでまとめて管理(IAM ユーザーグループ)
  93. 第93問 最も詳しいコストのデータを S3 へ(AWS Data Exports の CUR 2.0)
  94. 第94問 視聴履歴とクリックから利用者ごとの動画のおすすめ(Amazon Personalize)
  95. 第95問 攻撃中の専門チームの支援と DDoS のコスト保護(AWS Shield Advanced)
  96. 第96問 AWS CAF のトランスフォーメーションの分野(業務のデジタル化はプロセス)
  97. 第97問 パブリックとプライベートのサブネットに必要な部品(インターネットゲートウェイ・NAT ゲートウェイ)
  98. 第98問 SSH・コンソール・CLI の認証情報の使い分け(キーペアとアクセスキー)
  99. 第99問 よくある質問の解決の記事を読む(AWS re:Post のナレッジセンター)
  100. 第100問 設定値を階層でまとめて追加料金なしで保管(Parameter Store)
seichan

プロフィール詳細は「プロフィール」をご覧ください。
AWS Certified Solutions Architect – Professional (https://www.credly.com/badges/fd8feb88-6f1f-42ff-a94b-445bb6661cb8/public_url)
Nutanix Certified Professional - Multicloud Infrastructure 6 (https://www.credly.com/badges/5c081bef-a425-42e4-809c-85138e676630/public_url)
Palo Alto Networks System Engineer (PSE) - Hardware Firewall Professional (https://www.credly.com/badges/69dc3880-4a51-47eb-8843-47ba6ea7d013/public_url)

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