本記事より VMware vSphere の仮想基盤の導入・設定の解説を開始します.
まず今回は細かな説明は省いて ESXi ハイパーバイザーのインストールを説明します.
その後仮想基盤を構築していくにあたり説明を追加していきます.
- VMware vSphere に関するお話
- VMware vSphere – ESXi インストール
- VMware vSphere – 仮想スイッチ/ポートグループの設定
- VMware vSphere – NFSデータストアの追加
- VMware vSphere – vCenter Server のインストール
- VMware vSphere – vCenter Server の初期設定
- VMware vSphere – ローカルデータストアの追加
- VMware vSphere – EVC (Enhanced vMotion Compatibility)
- VMware vSphere – 分散仮想スイッチ (分散仮想スイッチの説明,作成)
- VMware vSphere – 分散仮想スイッチ (アップリンクの付け替え,VMkernel インターフェイスの移行)
- VMware vSphere – 分散仮想スイッチ (仮想マシンポートグループの移行,アップリンクの完全付け替え)
- VMware vSphere – iSCSI ストレージのマウント (マウントに向けた準備)
- VMware vSphere – iSCSI ストレージのマウント
- VMware vSphere – ライブマイグレーション (vMotion と Storage vMotion)
- VMware vSphere – ライブマイグレーション(vMotion) のトラブルシュート
- VMware vSphere – vSphere DRS (Distributed Resource Scheduler) 概要
- VMware vSphere – vSphere DRS 設定 (DRS 手動)
- VMware vSphere – vSphere DRS 設定 (DRS 一部自動化)
- VMware vSphere – vSphere DRS 設定 (DRS 完全自動化)
- VMware vSphere – vSphere DRS 設定 (アフィニティとアンチアフィニティ)
- VMware vSphere – vSphere DRS 設定 (ホストアフィニティ)
- VMware vSphere – vSphere HA の説明
- VMware vSphere – vSphere HA の設定
- VMware vSphere – vSphere HA の障害時動作の確認
VMware vSphere – ESXi インストール
仮想化基盤の構成
今回構成する仮想化基盤の環境はこの絵のようになります.
サービス・管理用としてスイッチがあり,2つのネットワークインターフェイスを接続します.
同様にストレージ用としても2つのネットワークインターフェイスを接続します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/image-2.png)
ESXi をインストールするハードウェア
今回は ESXi のインストールは仮想マシン上に行います.ネットワークインターフェイスですが,最初の2つが色々な用途 (管理用やサービス用),次の2つがストレージ用途として利用します.
2つのインターフェイスすべて VLAN が trunk で流れているという環境です.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_001-2.png)
VMware vSphere ESXi ハイパーバイザーのインストール
ESXi インストーラーの実行
ESXi インストール用CDをマウント (挿入) して電源を起動し,CD Boot を実行します.
CD Boot が行われるとこのようにインストーラーの読み込みが始まります.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_002.png)
インストーラーの読み込みは2段階で行われており,2段階目ではインストールを行うために必要なサービス群の起動が行われます.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_003.png)
インストールウィザードの開始
ここから実際にインストールウィザードが始まります.次へ進めるために「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_004.png)
ライセンス条項が表示されますので確認のうえ「F11」キーを押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_005.png)
サーバーに接続されているディスクのスキャンが行われます.少し待ちましょう.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_006.png)
インストール先の選択
ESXi ハイパーバイザーをインストールするディスクを選択します.今回はディスクは1つだけなので分かりやすいですが,複数ある場合は導入先ディスクが正しいか確認しましょう.
インストールするディスクを選択して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_007.png)
キーボード言語の選択
キーボードの言語 (キーマップ) の選択画面が表示されます Japanese は上の方にあります.
使用するキーボードに合わせて選択して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_008.png)
root アカウントパスワードの指定
root アカウントのパスワードを指定します.パスワードはある程度の複雑さが要求されますのでエラーになった場合は記号が含まれているか確認しましょう.
「Root password」と「Confirm password」を入力して「Passwords match」の表示になったことを確認して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_009.png)
インストールの開始
インストールを行うか確認が入ります.「F11」を押すと開始されます.
開始されると選択したディスクはフォーマットされますので改めてインストール先のディスクがあっているのかを確認しましょう.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_010.png)
インストール中はこのようなダイアログが表示されます.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_011.png)
インストール完了後の再起動
インストールが完了するとこの画面になり「Enter」を押すと再起動が開始されます.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_012.png)
ESXi の起動
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_014.png)
ESXi の初期設定
ESXi の起動が完了するとこの画面になります.
管理コンソール (DCUI) のログイン
初期設定を行うため「F2」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_015.png)
ログインが促されるので「root」および指定したパスワードを入力して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_016.png)
ネットワークの設定
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_017.png)
使用するインターフェイスの指定
初期状態では1つのインターフェイスだけ選択されている状態です.もう一つサービス用途で利用するため「Network Adapters」を選択して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_018.png)
ネットワークインターフェイスの一覧が表示されますので追加したいインターフェイスを選択して「スペース」キーを押してチェックを入れます.
今回の構成では2つのインターフェイスが諸々な用途なので vmnic1 を追加します.
なお,もう一度「スペース」キーを押すとチェックが外れます.
インターフェイスの選択が終わったら「Enter」を押して確定させます.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_019.png)
前の画面に戻り,インターフェイスが追加されたことが確認できます.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_020.png)
VLAN の設定
今回の環境では管理用 IP のセグメントが Native VLAN 配下にいないため VLAN の指定が必要です.
ここは実環境でもどのように行うのかで実施可否が決まります.
管理用セグメントを Native VLAN として流しているケースが多いと思います.その場合ここはスキップすることができます.
今回は VLAN を指定する必要があるので「VLAN」を選択して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_021.png)
設定したい VLAN ID を入力して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_022.png)
前の画面に戻りますので,指定した VLAN が表示されていることを確認します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_023.png)
IPv4 アドレスの設定
IPv4 IP アドレスを設定するため「IPv4 Configuration」を選択して「Enter」を押します.
なお,デフォルトでは DHCP になっています.ほぼありませんが DHCP のまま運用することも可能です.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_024.png)
IPv4 アドレス,ネットマスク,ゲートウェイを入力して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_025.png)
前の画面に戻るので,入力した内容を確認します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_025_1.png)
IPv6 アドレス設定
今回はスキップします.IPv6 を静的に設定したい場合は IPv4 と同様に設定することが可能です.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_026.png)
参照 DNS およびホスト名の設定
ESXi ハイパーバイザーが参照する DNS サーバーおよび自身のホスト名の設定を行います.
「DNS Configuration」を選択して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_027.png)
参照 DNS サーバー,ホスト名を入力して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_028.png)
前の画面に戻るので,入力した内容になっていることを確認します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_028_1.png)
DNS サフィックスの設定
ショートネームで名前解決を行った際に付与するドメイン名を指定します.
「Custom DNS Suffixes」を選択して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_029.png)
付与したいドメイン名を入力して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_030.png)
前の画面に戻るので入力した内容が正しいことを確認します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_030_1.png)
以上でネットワーク設定は完了ですので「ESC」キーを押して前の画面に戻ります.
設定の反映
「ESC」キーを押すとこのように設定を反映してよいか確認が入ります「Y」を押して設定を反映させます.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_031.png)
前の画面に戻ります.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_032.png)
ここで,他のホストから ping などでネットワーク疎通の確認を行いましょう.
シェル/SSH の有効化
この設定は必須事項ではありません.本来ですと,必要になった際のみ有効にすることをお薦めします.
「Troubleshooting Options」を選択して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_040.png)
ESXi Shell の有効化
「Enable ESXi Shell」を選択して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_041.png)
メニューの名前が「Disable ESXi Shell」に変化,右側の文字列が「ESXi Shell is Enabled」になったことを確認します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_044.png)
SSH の有効化
「Enable SSH」を選択して「Enter」を押します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_043.png)
メニューの名前が「Disable SSH」に変化,右側の文字列が「SSH is Enabled」になったことを確認します.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_042.png)
WebUI のアクセス
ブラウザーで設定した「https://IP アドレス/」を入力してアクセスします.
疎通があればこのようにログイン画面が表示されますので「root」および指定したパスワードを入力して「ログイン」をクリックします.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_033.png)
初回ログイン時,カスタマーエクスペリエンス改善プログラム (CEIP) に参加するか確認が入ります.そのまま「OK」を押しても,チェックを外して「OK」を押してもどちらでも大丈夫です.
なお,実際の所はチェックを外して進むケースが多いかと思います.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_034.png)
CEIP が完了するとこのように ESXi ハイパーバイザーの管理画面が表示されます.
![](https://www.seichan.org/blog/wp-content/uploads/2024/03/ESXiInst_035.png)
以上で ESXi のインストールと管理画面へのアクセスは完了です.
今後 vCenter Server の導入,クラスターの作成へと進んでいきますので,これを少なくとももう1台用意してください.
以上,VMware vSphere ESXi ハイパーバイザーのインストール,初期設定および WebUI のアクセスの解説でした.
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