Windows Server Failover Cluster (WSFC) – 機能の追加と初期セットアップ (2)

HA クラスター

WSFC は「フェイルオーバークラスター」の名前のとおり,クラスターサービスを提供するソフトウェアです.アクティブ / スタンバイ 形式でファイルサーバーや SQL Server など各種のサービスを冗長化して提供することが可能になります.
本記事では WSFC の初期セットアップについて解説します.

フェイルオーバークラスターの構成 – 続き

「Windows Server Failover Cluster (WSFC) – 機能の追加と初期セットアップ (1)」に引き続きフェイルオーバークラスターの構成を進めていきます.
前回はクラスターの構成まで行いましたが,クォーラムディスクが存在していない旨の警告が出ている状態です.

以降より,その点を解消する手順を説明しますので順を追って進めてください.

クォーラムディスクを利用可能にする

「ツール」-「コンピューターの管理」をクリックします.

「記憶域」-「ディスクの管理」より,クォーラムとして利用するディスクを選択,右クリックでメニューを表示して「オンライン」をクリックします.

改めて右クリックでメニューを表示して「ディスクの初期化」をクリックします.

「ディスクの初期化」画面が表示されますので「OK」をクリックします.
クォーラムディスクは最小ですのでパーティションスタイルはどちらでも構いません.

「見割当て」の所を右クリックでメニューを表示し「新しいシンプルボリューム」をクリックします.

ウィザードが起動しますので「次へ」をクリックします.

ボリュームサイズの指定ではそのまま「次へ」をクリックします.

ドライブ文字を割り当てて「次へ」をクリックします.
任意のドライブ文字列で大丈夫ですが,筆者はクォーラムディスクは Q Drive に割り当てるのを好んで実施しています.

「このボリュームを次の設定でフォーマットする」を選択して「次へ」をクリックします.
ボリュームラベルは任意です.

完了したことを確認して「完了」をクリックします.

ボリュームが作成され,ドライブが割り当てられたことを確認します.

クラスターを構成するサーバーで同様にドライブマップを行ってください.
2台目以降は初期化やボリュームの作成は不要です.

クォーラムディスクを記憶域として追加する

「フェイルオーバークラスターマネージャー」-「クラスター名」-「記憶域」-「ディスク」を選択して右クリックでメニューを表示して「ディスクの追加」をクリックします.

「クラスターへのディスク追加」で追加可能なディスクが表示されますのでクォーラムディスクとして追加するディスクにチェックがついていることを確認して「OK」をクリックします.

ディスクが追加されたことを確認します.

クォーラムディスクをクラスターに組み込む

「フェイルオーバークラスターマネージャー」-「クラスター名」を選択して右クリックでメニューを表示して「他のアクション」-「クラスタークォーラム設定の構成」をクリックします.

ウィザードが開始するので「次へ」をクリックします.

「クォーラム構成オプションの選択」では「標準のクォーラム構成を使用する」を選択して「次へ」をクリックします.

監視リソースで先ほど登録したディスクが表示されていることを確認して「次へ」をクリックします.

クラスターのクォーラム設定が完了したことを確認して「完了」をクリックします.

クラスター状態の確認

「フェイルオーバークラスターマネージャー」-「クラスター名」-「記憶域」-「ディスク」で追加したディスクの適用先が「クォーラム内のディスク監視」になっていることを確認します.

「フェイルオーバークラスターマネージャー」-「クラスター名」-「ノード」をクリックして,クラスターを構成するノードが表示されていることを確認します.

「フェイルオーバークラスターマネージャー」-「クラスター名」-「ネットワーク」をクリックして,「クラスターとクライアント」のネットワークが存在することを確認します.

以上で,Windows Server Failover Cluster の初期設定が完了しました.この後,実際にフェイルオーバークラスターで提供したいサービスを追加していくことが可能になります.

次回は,ファイルサーバーサービスをクラスターで提供する方法について解説します.

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