「EC2 から、オンプレの社内ドメイン(corp.example.jp)の名前が引けません。VPC の DNS サーバーを社内の DNS に向ければ解決しますか」
「プライベートサブネットのサーバーから S3 へ毎晩バックアップを送っていたら、NAT ゲートウェイの料金が S3 の保存料より高くなっていました」
第6回では、VPC の中の設計を見ました。オンプレでは DNS サーバー・専用線・VPN 装置・CDN 事業者がしていたことを、AWS ではサービスの組み合わせで作ります。
第7回では、VPC 内の DNS、VPC エンドポイント、VPC 間とオンプレとの接続、Route 53、CloudFront、Flow Logs を扱い、3 層 Web システムの演習、よくあるつまずき、Azure との対応表で締めくくります。料金・上限は2026年9月時点の値で、料金は東京リージョンの例です。
VPC 内の DNS:Route 53 Resolver
VPC 内のインスタンスは、DHCP(次の節の DHCP オプションセット)で配られる VPC の CIDR+2 のアドレス(10.0.0.0/16 なら 10.0.0.2。169.254.169.253 でも可)を DNS サーバーとして使います。これが Route 53 Resolver(DHCP オプションセットでの名前は AmazonProvidedDNS。2025年に Route 53 VPC Resolver と改称)で、フルサービスリゾルバーの役割を AWS が提供しています(フルサービスリゾルバーは連載「DNS入門」第3回の「再帰問い合わせと反復問い合わせ」、VPC の DNS は第10回の「VPCのDNS(Route 53 VPC Resolver)」で詳しく扱っています)。
インターネットの名前解決に加え、ip-10-0-1-23.ap-northeast-1.compute.internal のような AWS 内部名や、VPC エンドポイントのプライベート名を解決します。VPC の属性 enableDnsSupport と enableDnsHostnames の両方を有効にしておく必要があり、これを切ると内部名や RDS のエンドポイント解決が壊れます。
プライベートホストゾーンは VPC に関連付ける内部専用のゾーンで、db.corp.internal のような社内名を VPC 内だけで解決させます。オンプレの DNS と相互に名前解決するには Resolver エンドポイントを使い、インバウンド(オンプレ → VPC の名前を引く)とアウトバウンド(VPC → オンプレの corp.example.jp を転送ルールで引く)を VPN/Direct Connect 越しに構成します。これはオンプレの DNS の「条件付きフォワーダー」そのものです(連載「DNS入門」第3回の「条件付きフォワーディング」、第10回の「Resolverエンドポイントと転送ルール」)。

- VPC 内 DNS=Route 53 Resolver(CIDR+2)。
enableDnsSupport/enableDnsHostnamesを有効にする - 社内名はプライベートホストゾーン
- オンプレとの相互解決は Resolver エンドポイント+転送ルール(条件付きフォワーダー)
DHCP オプションセットと VPC エンドポイント
- DHCP オプションセット:VPC 内のインスタンスに配る
domain-name(検索ドメイン)、domain-name-servers(既定AmazonProvidedDNS)、ntp-servers、netbios-name-serversを定義する。VPC に 1 つ関連付ける。IP アドレスそのものは ENI に紐づき固定で、DHCP は「その IP を通知する」役。AD 環境で DNS を AD の DC に向けたいときにこれを差し替えるが、AWS 内部名の解決が壊れるので、DC 側で Resolver へ条件付き転送する構成が一般的 - NTP:Amazon Time Sync Service が
169.254.169.123(IPv6 はfd00:ec2::123)で提供され、AL2023 は既定でこれを使う(連載「NTP入門」第7回の「クラウドの時刻」)。外部 NTP に出す必要はない - VPC エンドポイント:VPC からインターネットを経由せずに AWS サービスへ到達できる
- ゲートウェイ型(S3、DynamoDB のみ):ルートテーブルにプレフィックスリスト宛のルートを追加する。無料
- インターフェイス型(PrivateLink):サブネットに ENI(プライベート IP)を作り、サービスの名前解決がその IP に向く(プライベート DNS)。時間+処理量の課金。SSM、CloudWatch Logs、ECR、KMS など
- プライベートサブネットで「NAT なしで Session Manager と S3 だけ使いたい」なら、S3 ゲートウェイ+SSM 系インターフェイスエンドポイント 3 つ(ssm、ssmmessages、ec2messages)で足りる
冒頭の1つ目の相談がこれです。DNS を社内の DNS サーバーに向けると、AWS 内部名や RDS の名前が引けなくなります。VPC の DNS は Resolver のままにして、アウトバウンドエンドポイントに corp.example.jp の転送ルールを付けるのが基本です。
冒頭の2つ目の相談もここです。NAT ゲートウェイは処理量に 0.062 USD/GB(第6回)がかかりますが、S3 のゲートウェイ型エンドポイントは無料です。

VPC 間の接続:ピアリングと Transit Gateway
- VPC ピアリング:2 つの VPC を 1:1 で接続する。別リージョン・別アカウントも可能。CIDR が重複していると不可。推移的ルーティングはできない(A–B、B–C を結んでも A–C は通らない)。両側のルートテーブルに相手 CIDR → pcx を追加する。転送料は、同じ AZ の中なら無料、AZ をまたぐと AZ 間と同じ(送信・受信それぞれ 0.01 USD/GB)、リージョンをまたぐとリージョン間の料金
- VPC が増えるとフルメッシュが必要になる(N 個で N(N−1)/2 本。10 VPC で 45 本)
- Transit Gateway(TGW):リージョン単位のハブ。VPC・VPN・Direct Connect・他リージョンの TGW を「アタッチメント」として接続し、TGW 側のルートテーブルで経路を集中管理する。推移的ルーティングも可能で、数千 VPC まで拡張できる
- TGW の料金:アタッチメントあたり時間課金(約 0.07 USD/h)+処理量(0.02 USD/GB)(2026年9月時点)。少数 VPC ならピアリングの方が安くなる
- TGW ルートテーブルで分離:本番用と検証用のアタッチメントを別のルートテーブルに置けば、同じ TGW でも相互に通信させない設計ができる(オンプレのルーターの VRF に相当する)
- VPC Lattice(2023):サービス単位(HTTP)で VPC 越しに接続する新しい選択肢。ネットワーク層でなくアプリ層でつなぐ

オンプレとの接続①:サイト間 VPN
サイト間 VPN は、オンプレのルーター/ファイアウォール(カスタマーゲートウェイ)と AWS 側の仮想プライベートゲートウェイ(VGW)または Transit Gateway の間に、インターネット経由の IPsec トンネルを 2 本張ります。2 本は AWS 側の別 AZ の終端に落ちており、片方が保守で落ちても継続するので、両方を有効にして BGP で経路交換するのが正しい使い方です(静的ルートも可能です)。
トンネル 1 本あたりの帯域は標準で約 1.25 Gbps(Transit Gateway か Cloud WAN に接続する場合は、2025年11月に加わった大容量トンネルで最大 5 Gbps)、IKEv1/v2、AES-256、SHA-2 に対応しています。構築は数時間で、費用は接続あたり約 0.048 USD/h(東京、月 35 USD 程度。大容量トンネルは 0.60 USD/h。2026年9月時点)+転送料と安いですが、インターネット経由のため遅延と帯域は保証されません。Accelerated VPN は Global Accelerator のエッジで受けて AWS バックボーンに乗せることで品質を改善します。
オンプレ側の機器設定は、コンソールから機種別(Cisco、Fortinet、YAMAHA 等)の設定サンプルをダウンロードできます。Direct Connect(次の節)のバックアップ回線として VPN を併用する構成が、コストと可用性のバランスから最も一般的です。

- IPsec トンネル 2 本、BGP で経路交換。1 本 1.25 Gbps(大容量トンネルは 5 Gbps)
- 数時間で構築、月 35 USD 程度+転送料。帯域・遅延は非保証
- Direct Connect のバックアップとして併用するのが定番
オンプレとの接続②:Direct Connect
- AWS のネットワークとオンプレを専用線で直結する。インターネットを経由しないため、帯域・遅延が安定し、転送料もインターネット向けより安くなる
- 専有型(Dedicated):1/10/100/400 Gbps(400 Gbps は一部のロケーションのみ)のポートを AWS から直接。ホスト型(Hosted):APN パートナー(通信事業者)経由で 50 Mbps〜25 Gbps。国内の多くはホスト型
- 接続先は「Direct Connect ロケーション」(東京・大阪のデータセンター)。自社拠点からロケーションまでの回線は別途契約が必要
- VIF(仮想インターフェイス):1 本の物理接続を VLAN(802.1Q)で分割する。プライベート VIF(VPC へ)、トランジット VIF(Transit Gateway へ)、パブリック VIF(S3 等のパブリックエンドポイントへ)。経路交換は BGP 必須
- Direct Connect Gateway:1 本の DX から複数リージョン・複数アカウントの VPC へ到達できる
- リードタイムは数週間〜数か月、費用はポート時間課金+転送料(+パートナー回線)。単一障害点にしないため 2 本(別ロケーション)か VPN バックアップが必須(AWS の SLA も冗長構成が条件)
- MACsec による物理層暗号化を、10/100/400 Gbps の専有型(一部のロケーション)で選択できる。VPN over DX で IPsec を重ねる構成もある

Route 53
Route 53 は AWS のマネージド DNS で、権威 DNS サーバー(ホストゾーン)、ドメイン登録(レジストラ)、そして VPC 内のリゾルバー(この回の「VPC 内の DNS:Route 53 Resolver」の節)の 3 つの機能を持ちます。名前は DNS のポート 53 に由来します(権威 DNS は連載「DNS入門」第1回の「DNSの3つの登場人物」、レジストラは第2回の「レジストリ・レジストラ・Whois/RDAP」)。
パブリックホストゾーンを作ると 4 つのネームサーバー(異なる TLD の awsdns-xx.com/.net/.org/.co.uk)が割り当てられ、SLA は 100% を謳っています。レコードは A/AAAA/CNAME/MX/TXT/SRV/NS/CAA など標準のものに加え、AWS 独自のエイリアスレコードがあり、ELB・CloudFront・S3・API Gateway・別のレコードを、CNAME では禁止されているゾーン頂点(example.jp そのもの)でも指せます。エイリアスは A レコードとして応答し、クエリ課金もかかりません。
ヘルスチェック(HTTP/TCP の監視、CloudWatch アラーム連動)と組み合わせると、異常なエンドポイントを応答から外す DNS レベルのフェイルオーバーができます。DNSSEC の署名にも対応しており、KMS の鍵で KSK を管理します(DNSSEC と KSK は連載「DNS入門」第9回の「DNSSECの仕組み」「アルゴリズムと鍵の運用」)。ゾーン転送(AXFR)はサポートしないので、オンプレの BIND からの移行はゾーンファイルのインポート機能か API で行います(AXFR は第7回の「ゾーン転送:AXFR・IXFR・NOTIFY」)。

- 権威 DNS+レジストラ+リゾルバー。SLA 100%
- エイリアスレコード:ゾーン頂点でも AWS リソースを指せる(A として応答)
- ヘルスチェック連動のフェイルオーバー、DNSSEC 対応。AXFR は非対応
Route 53 のルーティングポリシー
| ポリシー | 動作 | 用途 |
|---|---|---|
| シンプル | 固定の応答(複数値なら順不同で全部返す) | 通常のレコード |
| 加重(Weighted) | 重み(0〜255)に応じた割合で振り分け | カナリアリリース、段階移行 |
| レイテンシー | 問い合わせ元に対して最も遅延の小さいリージョンを返す | マルチリージョンの Web |
| フェイルオーバー | プライマリのヘルスチェック失敗時にセカンダリを返す | アクティブ/スタンバイの DR |
| 地理的位置(Geolocation) | 問い合わせ元の国・大陸で応答を変える | 国別コンテンツ、規制対応 |
| 地理的近接性(Geoproximity) | リソースの位置とバイアス値で振り分け | トラフィックフローで可視化しながら調整 |
| 複数値回答(Multivalue) | 最大 8 件をヘルスチェック済みで返す | 簡易な負荷分散 |
| IP ベース | 問い合わせ元の CIDR で応答を変える | 特定 ISP・拠点向け |
応答を決めているのは問い合わせてきたリゾルバーの IPです(EDNS Client Subnet 対応リゾルバーならクライアントのサブネット)。社内のフォワーダー経由で引くと「社内 DNS の場所」で判定される点は、EDNS の話と直結します(連載「DNS入門」第4回の「EDNS(0)とOPT疑似レコード」、第10回の「エイリアス・ルーティングポリシー・ヘルスチェック」)。TTL の設計(フェイルオーバーで短く、静的で長く)も同様です(第7回の「TTLの設計」)。
CloudFront(CDN)
- 世界数百のエッジロケーションにコンテンツをキャッシュし、利用者に近い場所から配信する CDN。HTTP のキャッシュ制御(
Cache-Control、ETag)がそのまま効く(連載「HTTP入門」第5回の「Cache-Controlの主なディレクティブ」「CDNの仕組み」) - オリジン:S3(OAC で S3 を非公開にしたまま CloudFront だけに読ませる)、ALB、EC2、任意の HTTP サーバー、MediaPackage(ライブ配信。以前のオリジン MediaStore は2025年11月13日に提供を終えた)
- ディストリビューションに、キャッシュ動作(パスパターンごとの TTL・転送するヘッダー/Cookie/クエリ)、証明書(ACM の us-east-1 で発行したものが必要。ACM は第9回と連載「証明書入門」第9回の「ACM(AWS Certificate Manager)」)、WAF、地理制限を設定する
- エッジでの処理:CloudFront Functions(軽量 JS、ヘッダー書き換え・リダイレクト)、Lambda@Edge(本格的な処理)を使える
- 効果:遅延の削減、オリジンの負荷軽減、AWS Shield Standard による DDoS 緩和が無料で付くこと、転送料がリージョンから直接出すより安いこと(CloudFront → インターネットは月 1 TB まで無料。2026年9月時点)など
- 動的コンテンツ(API)でも、TLS 終端をエッジで行い AWS バックボーンでオリジンまで運ぶことで体感速度が改善する
- キャッシュの無効化(Invalidation)はパス単位。バージョン付きファイル名(
app.3f2a.js)で運用する方が確実(連載「HTTP入門」第5回の「キャッシュバスティングと設定の型」)

VPC Flow Logs とネットワークの可観測性
- VPC Flow Logs:ENI・サブネット・VPC 単位で、通過した(または拒否された)フローの 5 タプル・バイト数・ACCEPT/REJECT を記録し、CloudWatch Logs か S3 に出力する。パケットの中身は含まない(NetFlow/IPFIX に相当する。連載「SNMP入門」第10回の「フロー監視とは」「NetFlow・IPFIX・sFlow の比較」)
- 用途:「SG で拒否されているか」の確認(REJECT を検索)、通信の棚卸し、GuardDuty(第9回)の入力
- VPC Reachability Analyzer:送信元と宛先を指定すると、ルート・NACL・SG のどこで止まるかを静的解析できる。実パケットは送らない
- Network Access Analyzer:「インターネットから DB に到達できる経路が無いか」を継続的に検査する
- Traffic Mirroring:ENI のパケットを複製して IDS/IPS へ送る(SPAN/ミラーポート相当)
- CloudWatch の NW メトリクス:ENI の
NetworkIn/Out、NetworkPacketsIn/Out、NAT のErrorPortAllocation(ポート枯渇)、DX のConnectionBpsEgress(CloudWatch は第11回) - パケットキャプチャは EC2 の OS 上で tcpdump/Wireshark を使う。AWS 側の機器で取ることはできない

演習:3 層 Web システムの VPC 設計
- VPC
10.0.0.0/16、AZ は 1a・1c の 2 つ - パブリックサブネット
10.0.0.0/24(1a)、10.0.1.0/24(1c):ALB、NAT ゲートウェイ×2。ルート0.0.0.0/0 → igw - プライベート AP サブネット
10.0.10.0/24、10.0.11.0/24:ECS/EC2。ルート0.0.0.0/0 → 各 AZ の nat、S3 プレフィックス → ゲートウェイエンドポイント - プライベート DB サブネット
10.0.20.0/24、10.0.21.0/24:RDS マルチ AZ(第10回)。ルートはlocalのみ(外へ出さない) - SG は第6回の「セキュリティグループのルール例(3 層構成)」の 3 つ。NACL はデフォルト
- 運用アクセスは Session Manager(SSM 用インターフェイスエンドポイント)を使う。SSH ポートは開けない
- DNS:
www.example.jp→ Route 53 エイリアス → ALB とする。証明書は ACM を使う(第9回) - 拡張:オンプレ接続は VGW/TGW+VPN、静的コンテンツは S3+CloudFront に切り出す
- この構成が「AWS の基本形」であり、CloudFormation/Terraform のサンプルの多くはこの形をしている

ネットワークのよくあるつまずき
- パブリックサブネットに置いたのにつながらないケース → IGW ルート・パブリック IP・SG・OS の FW の 4 点を順に確認する
- NAT ゲートウェイ経由で外から入ろうとするケース → NAT は出口専用。入口は ELB か EIP を使う
- NACL の戻り(エフェメラルポート)を許可し忘れて、片方向だけ通ってしまうケース
- SG の送信元に IP を書き、Auto Scaling で台数が増えて通らなくなるケース → SG 参照にする
- VPC の CIDR がオンプレと重複して、VPN で経路が引けないケース → 設計台帳を最初に作る
- 1 つの AZ の NAT に全サブネットを向けて AZ 障害で全滅し、AZ 間転送料もかかってしまうケース
- S3 への大量転送を NAT 経由で行い、NAT の処理料が S3 の保存料を超えてしまうケース → ゲートウェイエンドポイントを使う
- ELB の IP を DNS に直書きして変わってしまうケース → DNS 名かエイリアスを使う
enableDnsHostnamesを切って RDS のエンドポイントが引けなくなるケース- EIP を確保したまま放置して課金されるケース(2024 年以降は使用中でも課金される)

Azure との対応(ネットワーキング)
| AWS | Azure | 補足 |
|---|---|---|
| VPC | Virtual Network(VNet) | VNet は複数の AZ にまたがる点は同じ。サブネットも AZ をまたぐ(AWS はサブネット=1 AZ) |
| セキュリティグループ | ネットワークセキュリティグループ(NSG) | NSG はステートフルで許可・拒否・優先度を持ち、サブネットにも NIC にも付けられる。SG と NACL を 1 つにしたもの。SG 参照の代わりに Application Security Group |
| NACL | (相当なし) | NSG をサブネットに付けて代用 |
| IGW | (既定でアウトバウンド可。この既定のアウトバウンドアクセスは廃止の方向で、2026年3月31日より後に出た API の版で作る新しい VNet は、サブネットが既定でプライベート) | パブリック IP リソースを NIC に付ける |
| NAT ゲートウェイ | NAT Gateway | ほぼ同じ |
| VPC ピアリング | VNet ピアリング | 同様に非推移 |
| Transit Gateway | Virtual WAN(仮想ハブ)/Route Server | |
| サイト間 VPN(VGW) | VPN Gateway | |
| Direct Connect | ExpressRoute | 接続事業者経由が主流な点も同じ |
| VPC エンドポイント(PrivateLink) | Private Endpoint/Private Link、サービスエンドポイント | |
| Route 53 | Azure DNS/Private DNS Zone/Traffic Manager(ルーティングポリシー相当) | |
| CloudFront | Azure Front Door/Azure CDN | Front Door は L7 グローバル LB+CDN+WAF。Azure CDN Standard from Microsoft(classic)は2027年9月30日に廃止予定で、Front Door の Standard・Premium へ移行する |
| VPC Flow Logs | NSG Flow Logs → VNet Flow Logs | NSG Flow Logs は2025年6月30日から新規に作れず、2027年9月30日に廃止予定 |
| Reachability Analyzer | Network Watcher(接続のトラブルシューティング) |
(Azure の補足のうち、既定のアウトバウンド・Azure CDN・NSG Flow Logs の日付は2026年9月時点の Microsoft Learn の記述です。)
考えてみよう
- 演習の構成で NAT ゲートウェイを置かずに、EC2 から S3 と CloudWatch Logs に書き込み、Session Manager で操作するには、どの VPC エンドポイントが要りますか。費用がかかるのはどれですか。
- 演習の VPC をオンプレ(192.168.0.0/16、社内ドメイン corp.example.jp)とつなぐとき、経路と名前解決のために何を用意し、冗長はどう取りますか。
www.example.jpを東京の ALB に向け、東京が止まったら大阪へ切り替えるには、どのルーティングポリシーを使い、TTL はどう決めますか。
ヒント:1 は「DHCP オプションセットと VPC エンドポイント」、2 は「VPC 内の DNS:Route 53 Resolver」と2つの「オンプレとの接続」、3 は「Route 53 のルーティングポリシー」の節を見直してください。
まとめ
- VPC の DNS は Route 53 Resolver(CIDR+2)。オンプレとは Resolver エンドポイント+転送ルールで引き合う
- VPC エンドポイントは S3・DynamoDB 向けのゲートウェイ型が無料、ほかはインターフェイス型(PrivateLink)
- VPC 間はピアリング(非推移)か Transit Gateway(推移可)。オンプレとは Direct Connect を主、サイト間 VPN をバックアップに
- Route 53 はエイリアスでゾーン頂点も AWS リソースを指せ、ルーティングポリシーは問い合わせ元のリゾルバーで判定
- CloudFront は HTTP のキャッシュ制御が効く CDN。証明書は us-east-1
- 通らないときはルートテーブル → NACL → SG → OS。Flow Logs と Reachability Analyzer で確かめる
次回は、IAM とセキュリティの前編として、IAM のユーザー・ロール・ポリシーと評価の順序、ルートユーザーの保護、STS、Identity Center、Directory Service、Organizations と SCP を扱います。
連載「クラウド入門」全14回
- クラウドとは(定義・歴史・責任分界)
- AWSの全体像
- コンピューティング 前編(EC2・Nitro・インスタンスタイプ・AMI・IMDS)
- コンピューティング 後編(課金と購入オプション・Auto Scaling・ELB・コンテナ・Lambda)
- ストレージ
- ネットワーキング 前編(VPC・サブネット・SG・NACL)
- ネットワーキング 後編(DNS・接続・Route 53・CloudFront)(この記事)
- IAMとセキュリティ 前編(IAM・ポリシー・STS・ID連携・Organizations)
- IAMとセキュリティ 後編(KMS・シークレット・ACM・検知と防御)
- データベース
- 運用・監視・コスト 前編(CloudWatch・CloudTrail・Config・SSM)
- 運用・監視・コスト 後編(タグ・転送料金・コスト管理・Control Tower・IaC)
- Well-Architectedフレームワーク
- これまでのテーマとAWSの対応・まとめ


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