「世界同時に公開したい、とあるのですが、6つの利点のうちどれのことなのか、すぐに結びつきません」
「選択肢がどれも正しいことを言っているように見えて、1つに絞れません」
AWS Certified Cloud Practitioner(試験コード CLF-C02。以下 CLF)では、どれも正しい利点が並ぶ中から、問題文の言葉にいちばん合うものを選ぶ問題がよく出ます。今回は、複数の地域に同時に公開し、近い場所から低い遅延で届けたい、という計画から、クラウドの利点を選びます。
この記事は、CLF の練習問題を1問ずつ解説する連載の第2問です。問題は筆者が試験の範囲に合わせて作ったもので、実際の試験の問題ではありません。まず自分で答えを選んでから、解説を読んでください。
▶ この回の内容は、YouTube の動画(約5分)でも見られます(記事の最後にも埋め込んであります)。
問題
ある日本のゲーム会社は、新作のオンラインゲームを、日本に加えて欧州と北米でも同時に公開する計画です。公開までの期間は短く、各地域のプレイヤーに、近い場所から低い遅延でサービスを提供したいと考えています。この計画を実現しやすくする AWS クラウドの利点はどれですか。
- A. 数分でグローバルに展開できる
- B. キャパシティの推測が不要になる
- C. データセンターの運用と保守への投資が不要になる
- D. 固定費を変動費に置き換えられる
答えを決めたら、下を開いてください。
正解を見る(クリックで開きます)
正解:A
決め手は、問題文の「欧州と北米でも同時に」「近い場所から」「低い遅延で」という、場所を広げる言葉です。A は、AWS が挙げるクラウドの6つの利点のうち数分でグローバルに展開(グローバルリーチ)にあたります。
正解は A
正解は A です。決め手は、問題文の次の言葉です。
- 「欧州と北米でも同時に」
- 「各地域の近い場所から」
- 「低い遅延で」
どれも、地理的に広げる、場所の話です。ここから、選択肢を1つずつ見ていきます。
選択肢ごとの解説
A:数分でグローバルに展開(正解)

AWS は、世界各地にリージョンとエッジロケーションを持っています。図の地図のように、日本・欧州・北米のそれぞれで、プレイヤーの近くのリージョンを選んで、短期間で展開できます。近い場所から届けるので、各地域のプレイヤーに、低い遅延でサービスを提供できます。
AWS が挙げるクラウドの6つの利点のうち、「数分でグローバルに展開」にあたります。グローバルリーチとも呼ばれます。
B:キャパシティの推測は「量」の話(誤り)

キャパシティの推測が不要になる、というのは、需要の量に合わせてリソースを増やしたり減らしたりできる、という利点です。図の左のように、用意する量を、需要に合わせて変えられます。
正しい利点ですが、これは量の話です。この問題が聞いているのは、図の右の、どこから届けるか、という場所の話です。
C:データセンターは「設備」の話(誤り)

データセンターの運用と保守への投資が不要になる、というのは、建物やハードウェアの運用から解放されるという利点です。図の左のように、建物や電源、サーバーの購入や、故障した部品の交換は、AWS が行います。
正しい内容ですが、この問題の焦点である、世界各地に近い場所から届けることには、直接答えていません。
D:変動費化は「払い方」の話(誤り)

固定費を変動費に置き換えられる、というのは、コストの払い方の利点です。図の左のように、オンプレミス(自社でサーバーを持つ形)では先に設備を購入し、AWS では使った分だけを支払います。
これも正しい利点ですが、展開する地域とは関係ありません。日本・欧州・北米の近くから届ける、という図の右の計画には、答えていません。
問題文のキーワードと6つの利点
問題文のキーワードと、クラウドの6つの利点の対応を整理しておきます。今回のように、選択肢がどれも正しい利点のときは、問題文のキーワードにいちばん合うものを選びます。
| 問題文のキーワード | 6つの利点 |
|---|---|
| 世界各地・複数の国・低い遅延 | 数分でグローバルに展開 |
| 需要が読めない・増減に合わせる | キャパシティの推測が不要 |
| 初期費用をかけない・使った分だけ | 固定費(資本費)を変動費に |
| 大量調達で単価が下がる | 規模の経済の恩恵を受ける |
| 数分で用意・すぐ試せる | 速度と俊敏性の向上 |
| 建物や機器の運用から解放 | データセンターの運用・保守への投資が不要 |
ポイント
- 「同時に複数の地域」「近い場所から」「低い遅延」→ 数分でグローバルに展開
- どれも正しい利点のときは、問題文の キーワード にいちばん合うものを選ぶ
- キャパシティは 量、変動費は 払い方、データセンターは 設備、グローバルは 場所
6つの利点の全体と、グローバルリーチの考え方は、講座の記事で詳しく解説しています。
講座の全14回は、連載の入口のページから順に読めます。
動画で見る
この回の内容を、YouTube の動画(約5分)でも解説しています。
連載の全回は、YouTube の再生リスト「CLF-C02 試験対策問題」にまとめています。
連載「CLF-C02 試験対策問題」
全回の目次と、読む順番・目的別の読み方は、CLF-C02 試験対策問題の入口のページにまとめています。
- 第1問 初期費用をかけずに始めるコストの利点(従量課金・規模の経済)
- 第2問 数分でグローバルに展開(世界同時公開と低い遅延)(この記事)
- 第3問 高可用性(EC2 の複数 AZ 配置と RDS マルチ AZ)
- 第4問 クラウドの俊敏性(数分で作成・すぐに削除)
- 第5問 責任共有モデル(EC2 へのリホストで AWS に任せられること)
- 第6問 数時間だけのアクセスのピークに備える(EC2 Auto Scaling・オンデマンド)
- 第7問 Well-Architected の6つの柱(信頼性・パフォーマンス効率)
- 第8問 信頼性の柱の設計原則(自動で復旧・水平方向のスケール)
- 第9問 持続可能性の柱の設計原則(使用率の最大化・マネージドサービス)
- 第10問 AWS CAF の変革ジャーニーのフェーズ(構想・連携・ローンチ・スケール)


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