「Claude Code を少し使っただけで、5時間の上限に達してしまいました」
「難しい作業なので、いちばん上のモデルに替えたほうがいいでしょうか」
Claude では、どのモデル(Model)を、どれだけ手間をかけて(Effort)使うかを選べます。この2つは品質だけでなく、応答の速さと使用量にも直結します。Pro・Max では、アプリと Claude Code が同じ使用量の枠を使う(第1回)ので、選び方がそのまま「どれだけ使えるか」になります。
第3回では、公式のモデルの選び方と Effort の考え方、既定値と切り替え方を確かめたうえで、上限を意識した使い分けの例を紹介します。
公式のモデルの選び方
公式のモデル選びのガイドは、「多くの作業は Opus 5.5 から始める」としています。

始め方は2通りあります。
- 効率優先:安いモデルから始め、足りない能力が見つかったら上位のモデルに上げる。試作や、大量で単純な作業に向く
- 能力優先:Opus 5.5 で作り込んでから、Effort を下げたり下位のモデルに移したりして効率化する。Opus 5.5 の Effort を xhigh や max に上げても足りなければ、Fable 5.1 に移る
そして公式は「モデルを替えるより、Effort を調整するほうが効くことが多い」と書いています。いちばん大事なのは、自分たちの普段の作業で試して比べることです。公式の Claude 101 も、自分の定型業務5〜10件で評価することを勧めています。
Effort とは
Effort は、Claude が1回の応答にどれだけ手間をかけるかを決める設定です。

- 段階は low・medium・high・xhigh・max の5つ
- 考える量だけでなく、本文やツール呼び出しを含むすべての出力に効く。Effort が低いほどツール呼び出しが減り、前置きも省かれる
- 厳密な上限ではなく、「どこまで丁寧にやるか」の目安
- Opus 5.5 と Sonnet 5.5 の思考は Adaptive thinking という方式で、いつ・どれだけ考えるかをモデル自身が決める。Opus 5.5 ではこれが常にオンで、Effort が思考の量を決める主な手段になる
- 以前のモデルのように「よく考えて」とプロンプトに書くより、Effort を先に調整するよう公式は勧めている(第4回)
- Haiku 4.5 は Effort に対応していない
Effort の各段階
| 段階 | API(公式の説明) | Claude Code(公式の推奨) |
|---|---|---|
| low | 単純な作業、サブエージェント | ブレスト、たたき台、リネーム |
| medium | 速度・コスト・性能のバランス | 範囲がはっきりした日常の作業 |
| high | 複雑な推論、難しいコーディング | 検証が重要な作業、既存コードのバグ修正 |
| xhigh | 30分を超える長時間のエージェント作業 | より深い推論が必要な作業 |
| max | 制約なしの最大能力 | 任せきりにしたい難問。効果が頭打ちになることがあるので、広く使う前に試す |
Opus 5.5 では、xhigh・max は品質が上がることを確かめられたときだけ使うよう公式は勧めています。
既定値は環境ごとに違う
| 環境 | 既定のモデル | Opus 5.5 の Effort | Sonnet 5.5 の Effort |
|---|---|---|---|
| API | 指定が必要 | medium(Opus 5 までは high) | high |
| Claude Code | Opus 5.5(Pro・Max を含むすべてのプラン。v2.1.280 以降) | medium | medium |
| Claude アプリ(Chat) | Anthropic の推奨の既定(新しいモデルが出ると自動で更新。具体的なモデル名の記載はない) | 未確認(メニューに「Default」と表示される) | medium |
Sonnet 5.5 の発表ページには「Claude Code とアプリでは既定の Effort は Medium、Claude Platform(API)では High」とあります。アプリでは、各モデルの推奨の Effort がメニューに「Default」と表示されます。
注目したいのは、Pro でも Claude Code の既定が Opus 5.5 になったことです(以前は Pro の既定は Sonnet でした)。性能は上がりますが、使用量の枠の減り方も変わります。
切り替え方
- Claude Code:
/modelでモデル、/effortで Effort(/effort highのように直接指定もできる)。起動時の--effort、設定ファイル(settings)のeffortLevelでも指定できる - その回だけ深く考えさせる:プロンプトに
ultrathinkと書く。「think」「think hard」は特別扱いされず、普通の文として渡される - opusplan:計画を Opus、実行を Sonnet に任せるモデルの設定(
/model opusplan) - アプリ:送信ボタンの横でモデルと Effort を選べる(Low・Medium・High・Extra high・Max)。Opus 5.5・Sonnet 5.5 では Thinking をオフにできない
- アプリでの公式の目安:日常の作業は既定のままでよい。包括的な計画、詳細な文書分析、多段階の技術的な問題では Effort を上げる
- 注意:会話の途中で Effort を変えると、プロンプトキャッシュが効かなくなる(その分、使用量が増える)
Sonnet 5.5 の癖とモデルの組み合わせ
- Sonnet 5.5 は Effort で振る舞いが変わる:低いと、途中で確認を求めたり検証を省いたりしやすい。高いと、頼んでいないテストや文書まで足しがち
- Sonnet 5.5 の公式の目安:仕様がはっきりしていれば medium、難しければ high。Sonnet 5 の設定は流用しない
- 最も難しい長時間の作業:Sonnet 5.5 より Opus 5.5 が向いている
- モデルの組み合わせ(公式の2つの型):安いモデルが実行し、難しい判断だけ上位モデルに相談する型。上位モデルが統括し、大量の作業を安いモデルに任せる型
- Claude Code での例:サブエージェントに安いモデルを使う、
opusplanで計画だけ Opus に任せる
使用量の上限と費用の考え方
Pro・Max の使用量には、5時間ごとの枠と週ごとの枠があり、アプリと Claude Code で共有します(第1回)。重いモデル・高い Effort ほど、同じ作業でも枠を早く使います。

- API の単価では、Sonnet 5.5 を1とすると Opus 5.5 が2倍、Fable 5.1 が5倍。Adaptive thinking で考えたトークンも、表示されなくても出力として数えられる
- ただし、キャッシュ読み取りの単価は Opus 5.5 と Sonnet 5.5 で同じ(100万トークンあたり $0.20)なので、長いセッションでの差は2倍より小さくなる
- 上限を超えて使う usage credits は、この API の単価で課金される
試算(仮定に基づく目安):調べもの1回を、キャッシュ読み取り150万・キャッシュされない入力15万・出力6万トークンと仮定すると、API の単価で Opus 5.5 は約$2.1、Sonnet 5.5 は約$1.2 です。usage credits を月$30まで使うと決めたなら、それぞれ約14回と約25回分になります。実際の量は /usage や設定の[Usage]で測って見直します。
上限にすぐ達するときは、次の順に見直すのが効率的です。
- Effort を下げる(high → medium、medium → low)
- 会話をこまめにリセットする(長い会話ほど毎回読み込む量が増える。第5回)
- モデルを Sonnet 5.5 にする、または
opusplanで計画だけ Opus にする - サブエージェントを必要なときだけ使う(並行して調べる分、使用量が増える)
作業別の設定の例(筆者の例)
公式の2通りの始め方のうち、使用量の枠が小さい Pro では「効率優先(安いモデルから始め、足りなければ上げる)」が向いています。次の表は、Pro で調べものが中心の場合の筆者の例で、公式の推奨ではありません。
| 作業 | Model | Effort |
|---|---|---|
| 既定:調べもの、手順書・スクリプトの作成、日常の作業 | Sonnet 5.5 | medium(Code とアプリの既定)。検証を省かせないため、調べものでは下げない |
| 短い質問、定型の文書修正 | Sonnet 5.5 | low〜medium |
| レビュー、検証が重要な作業 | Sonnet 5.5 | high |
| 作業の分け方がはっきりしない | opusplan(計画は Opus、実行は Sonnet) | medium |
| 情報源が食い違い判断が要る、設計の判断、Sonnet 5.5 で一度うまくいかなかった | Opus 5.5 | medium〜high。一度だけ深く考えさせたいときは ultrathink |
| 数時間かかる長い作業を任せきりにする(枠の大きい Max など) | Opus 5.5 | xhigh |
- Claude Code の既定を Sonnet 5.5 にするには、
~/.claude/settings.jsonに"model": "sonnet"と書く - Max で枠に余裕があるなら、公式どおり Opus 5.5 の medium を既定のままにし、軽い作業だけ Effort を下げる使い方でもよい
- 2週間ほど使い、
/usageで使用量を見て見直す
考えてみよう
- Claude Code の既定は、今どのモデルと Effort になっていますか。
/modelと/effortで確かめてみてください。 - 同じ調べものを、Sonnet 5.5(medium)と Opus 5.5(medium)で1回ずつ試し、結果の質と
/usageの減り方を比べてみてください。 - 「よく考えて」とプロンプトに書く代わりに、何を変えればよいでしょうか。
ヒント:公式のモデルの選び方、Effort とは、既定値の表を見直してください。
まとめ
- 公式は「多くの作業は Opus 5.5 から」「モデルを替えるより Effort を調整する」。自分の作業5〜10件で試して比べる
- Effort は low〜max の5段階で、すべての出力に効く。Opus 5.5 の思考は常にオンで、Effort が考える量を決める
- Claude Code の既定は Pro を含めて Opus 5.5(Effort は medium)
- 切り替えは
/model・/effort、その回だけならultrathink、計画だけ Opus ならopusplan - 使用量の枠はアプリと Claude Code で共有。上限に達するなら、Effort・会話の長さ・モデルの順に見直す
次回は、モデルの力を引き出すプロンプトの基本と、5.x 世代で変わった書き方、そのまま使える指示の例を扱います。
連載「Claude活用入門」全6回
- Claudeの全体像とプラン
- Chat・Cowork・Codeの使い分け
- ModelとEffort(この記事)
- プロンプトの基本と指示の例
- Claude Codeのベストプラクティス
- 安全に使う

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