クラウド入門 ― AWSの基礎から主要サービス・セキュリティ・運用・設計の考え方まで(全14回)

「うちにも仮想化基盤があるので、もうクラウドと同じではないのですか?」
「AWSの画面には項目が多すぎて、どこから学べばいいのか分かりません」

クラウドは、サーバー・ストレージ・ネットワーク・認証・データベース・監視といった、オンプレミスで扱ってきた仕組みが「サービス」になったものです。仕組みを知っていれば、設定画面の項目の意味はすぐ分かります。逆に、仕組みを知らずにサービスの名前だけを覚えると、設計の判断ができません。仕組みは同じで、変わるのは名前と操作です。

連載「クラウド入門」は、「オンプレミスで学んだ概念が、クラウドでは何に当たるか」を軸に、AWSの主要なサービスを制限値・料金の構造・設定例まで具体的に扱い、要所でAzureでの呼び方を添える全14回の連載です。このページは、その入口として、各回の内容と読む順番をまとめています。

上段の「NIST SP 800-145:5 つの特徴」の枠に、「① オンデマンド・セルフサービス ― 申請書・電話なしに、利用者自身が画面や API で確保」「② 幅広いネットワークアクセス ― HTTPS 等の標準的なネットワーク経由で利用」「③ リソースの共用(プーリング) ― 多数の利用者で物理資源を共有(マルチテナント)」「④ 迅速な弾力性 ― 数分で増減。利用者からは無限に見える」「⑤ 計測されたサービス ― 使用量を計測して課金・制御(従量課金の根拠)」の5行が並び、下段の左に「3 つのサービスモデル:IaaS/PaaS/SaaS、管理範囲の境界が違う」、右に「4 つの配置モデル:パブリック/プライベート/コミュニティ/ハイブリッド」の枠がある図

この連載で分かること

  • クラウドの本質:NISTの5つの特徴、IaaS・PaaS・SaaS、責任共有モデル、配置モデル、移行の7R、仮想化基盤との違い
  • AWSの全体像:リージョンとAZ、アカウントとルートユーザー、操作の手段(コンソール・CLI・IaC)、料金の構成と無料利用枠
  • 計算・保存・つなぐ:EC2・Auto Scaling・ELB・コンテナ・Lambda、S3・EBS・EFS・FSx、VPC・SG・NACL・Route 53・VPN・Direct Connect・CloudFront
  • 守る・データを持つ:IAMとポリシーの評価、STS、Organizations、KMS、Secrets Manager、ACM、GuardDuty・WAF、RDS・Aurora・DynamoDBと可用性・DR
  • 運用とコスト:CloudWatch・CloudTrail・Config・Systems Manager、タグ、データ転送料金、Budgets、Control Tower、IaC
  • 設計の判断の軸:Well-Architectedの6つの柱とトレードオフ、Azureとの対応表、オンプレのテーマとAWSの対応

数値・上限・料金は2026年9月時点のもので、料金は東京リージョン(ap-northeast-1)の例です。

こんな人に向いています

  • オンプレミスのサーバーやネットワークの仕事を経験し、クラウドを「知っている仕組みが何に当たるか」で学びたい人
  • AWSの設定画面の項目を、意味を分かった上で選べるようになりたい人
  • 責任共有モデル・コスト・セキュリティの落とし穴を、使い始める前に知っておきたい人
  • Azureの担当者とも同じ語彙で会話したい人(要所にAzureとの対応を載せています)

学ぶ順番

全14回を、4つのまとまりに分けています。初めての人は第1回から順に読むのがおすすめです。1回の記事は18分前後で読めます(全部で約4時間15分)。

クラウドの考え方とAWSの全体像(第1〜2回)

  • 第1回 クラウドとは(定義・歴史・責任分界)
    NISTの定義と5つの特徴、オンプレとの比較、IaaS・PaaS・SaaS、責任共有モデル、配置モデル、移行の7R、仮想化基盤との違い。
  • 第2回 AWSの全体像
    リージョン・AZ・AZ ID、エッジロケーションとLocal Zones、アカウントとルートユーザー、CLI・IaC、ARN、料金の構成と無料利用枠、Azureとの対応。

計算・保存・つなぐ(第3〜7回)

守る・データを持つ(第8〜10回)

運用して設計する(第11〜14回)

目的別の読み方

全部を読む時間が無いときは、困っていることに近い回から読んでください。

困っていること・知りたいことまず読む回
「AWSを使えば安全」と言えるのか、どこまでが自分の責任かを知りたい第1回(責任共有モデル)→ 第9回
作ったサーバーに通信がつながらない第6回 → 第7回(ネットワークのよくあるつまずき)
請求が思ったより高い・コストを抑えたい第4回(停止と課金・購入オプション)→ 第12回
IAMの権限やロール、複数アカウントの管理を理解したい第8回 → 第12回(Control Tower)
EC2・コンテナ・Lambda、RDS・DynamoDBなど、どのサービスを選ぶか迷う第4回 → 第10回
オンプレのDNS・NTP・認証などがAWSで何に当たるかを知りたい第14回
構成を見直したい・設計の判断の軸が欲しい第13回

あわせて読みたい連載

クラウドの各サービスは、オンプレミスの仕組みの上に成り立っています。クラウドの知識と合わせて読むと理解が深まる連載です。

よくある質問

前提の知識はどのくらい必要ですか?

AWSの経験は不要で、アカウントが無くても読めます。オンプレミスのサーバーやネットワークの基本(IPアドレス、DNS、認証など)を知っていると読みやすい連載です。各回は「オンプレでは何に当たるか」を軸に説明しているので、DNSなどに不安がある場合は、連載「DNS入門」と並べて読むと理解が早まります。実際に手を動かす手順は、最終回の第14回で紹介しています。

どの回から読めばいいですか?

初めての人は第1回から順に読んでください。第1・2回でクラウドの考え方、責任共有モデル、リージョンとAZを押さえると、後の回の説明が理解しやすくなります。特定の困りごとがある人は、上の「目的別の読み方」から読み始めても構いません。

内容はいつの時点の情報ですか?

数値・上限・料金は2026年9月時点で、料金は東京リージョンの例です。クラウドの料金や仕様はよく変わるため、使う前に公式のページで確かめてください。記事を公開したあとに分かった訂正や変更は、各記事の末尾の「更新履歴」に追記しています。

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