【AWS クラウドプラクティショナー試験対策講座 第01回①】CLF はどんな資格か ― AWS 認定のレベル、CLF の位置づけ、誰向けの資格か、問われること・問われないこと、身につくもの

クラウド
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「AWS の資格に興味はあるのですが、IT の経験がありません。Cloud Practitioner という試験は、そんな私でも受けてよいものなのでしょうか」
「仕事で AWS の話が出るので CLF を取ろうか迷っています。そもそも、どんな試験で、何が問われるのですか」

AWS Certified Cloud Practitioner(試験コード CLF-C02。以下 CLF)は、AWS の資格の中でいちばん入口に当たる試験です。ただ、入口といっても、試験の範囲を知らずに受ける試験ではありません。どんな人向けの、どのレベルの試験で、何が問われ、何は問われないのかを先に知っておくと、勉強の方向を間違えずに済みます。

この連載は、CLF に合格できるところまでを目指す試験対策講座(全14回)を、ブログの記事にしたものです。前提の知識は置かず、AWS とクラウドの未経験者・初心者を読者に想定しています。IT 以外の職種の方も歓迎です。説明だけの講座で、演習はありません。講座の1回分を、読みやすい長さに分けて、順に記事にしていきます。第01回は、試験の概要と学び方の回で、次の4本に分けています。この記事(①)は、その1本目です。

  • 第01回①(この記事):CLF はどんな資格か
  • 第01回②:試験の形式と合格基準
  • 第01回③:出題の範囲と配点
  • 第01回④:講座の進め方と学び方

第02回以降の記事は、資料ができ次第、この連載に足していきます。試験の情報は、2026年10月26日時点のものです。


この回のねらい

第01回には、次の4つのねらいがあります。

  • ねらい① 資格を知る:AWS Certified Cloud Practitioner(試験コード CLF-C02。以下 CLF)が、どんな人向けの、どのレベルの資格かを説明できる
  • ねらい② 形式と合格基準を知る:65問のうち採点は50問であること、2種類の設問、換算スコア700点で合格、補整型の採点を説明できる
  • ねらい③ 範囲と配点を知る:4つの分野と配点を知り、試験で問われること・問われないこと(対象外の作業)を区別できる
  • ねらい④ 学習の計画を立てる:全14回の地図と公式の学習リソースを使って、自分の学習の計画を立てられる

前提の知識は要りません。用語は出てきたところで説明します。ねらい①〜④は、このあと同じ順に「CLF はどんな資格か」「試験の形式と合格基準」「出題の範囲と配点」「講座の進め方と学び方」の4つのまとまりで扱います。この記事がねらい①、第01回②がねらい②、第01回③がねらい③、第01回④がねらい④にあたります。

なお、「対象外の作業」は、試験ガイド(試験の範囲を AWS が示した文書)では「対象外のジョブタスク」と呼ばれる項目のことです。この記事の後半で扱います。


この講座について

この講座の対象・進め方・情報の時点を、先に整理しておきます。

  • 対象:AWS とクラウドの未経験者・初心者。IT 以外の職種の人も含み、前提の知識は置かない
  • 進め方:説明だけの講座。演習はなく、画面操作の手順は最小限にする
  • 全体:全14回。第01回は試験の概要、第02回以降が試験の中身(地図は第01回④の「全14回の地図」の節)
  • 非公式:この連載は AWS の公式の資料ではない。AWS の文書は写さず、自分の言葉で説明する
  • 試験の情報:2026年10月26日時点のもの。変わることがあるので、受験の前に AWS の公式ページで確かめる
  • 試験の版:前提は CLF-C02。後継の版の発表は、同じ日時点で AWS 公式のページに見つからなかった

Amazon Web Services、AWS は Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。試験の仕様は AWS 公式の情報(試験ガイド、AWS 認定のページ)に基づき、出典は各節の末尾と、第01回④の「参考資料」の節に示します。


AWS とクラウドをひとことで

まず、試験の名前に出てくる「AWS」と「クラウド」を、ひとことで確認します。

クラウドは、インターネットの向こうにある IT の資源(サーバーやデータの保存場所など)を、必要な分だけ借りて使う形です。サーバーとは、サービスを提供するためのコンピューターのことです。自分で機械を買って置く代わりに、使った分に応じて料金を払います。AWS(Amazon Web Services)は、Amazon が提供するクラウドのサービスの集まりです。CLF は、この AWS を中心にクラウドの基本を問う試験です。仕組みや利点は第02回(クラウドの基本。記事は第02回①〜④)、AWS の全体像は第03回(グローバルインフラと AWS の使い方)で扱います。

利用者(人のアイコン)から下向きの矢印でインターネット(地球儀のアイコン)へ、さらに「借りる」と書かれた矢印で「AWS クラウド」の枠へつながる図。枠の中には「IT の資源(サーバー・保存場所など)」の文字と、「サーバー」のアイコン、「保存場所」のアイコンがある。最下部に「必要な分だけ借りて使う」

この節の要点です。

  • クラウドは IT の資源を借りて使う形
  • AWS は Amazon のクラウドのサービス群
  • 詳しくは第02回・第03回で学ぶ

クラウドの仕組みをもう少し先に知りたい方は、連載「クラウド入門」の第1回「クラウドとは(定義・歴史・責任分界)」の「NIST によるクラウドの定義」と「オンプレミスとクラウドの比較」の節が、クラウドの定義と、オンプレミス(自分で機械を持つ形)との違いを整理しています。この講座では、試験に必要な深さで説明しますので、読まなくても進められます。


AWS 認定のレベル

AWS 認定は、AWS の知識やスキルを示す資格の制度です。求められる経験に応じて、基礎(Foundational)、アソシエイト(Associate)、プロフェッショナル(Professional)の段があり、CLF は一番下の基礎に入ります。

  • 基礎:経験が要らない入口
  • アソシエイト:クラウドや IT の経験があるとよいレベル
  • プロフェッショナル:2年以上の AWS の経験が前提

このほかに、セキュリティなど特定の分野を深く問う専門知識(Specialty)と、ビジネス向けの区分があります。認定の数や名前は入れ替わるので、最新の一覧は AWS 認定のページで確かめてください(2026年10月26日時点)。

下から、橙色の「CLF 基礎(Foundational)」(横に「経験は必須ではない」)、紺色の「アソシエイト(Associate)」(横に「クラウドや IT の経験があるとよい」)、紺色の「プロフェッショナル(Professional)」(横に「2年以上の AWS の経験が前提」)の3段の階段が並ぶ。階段の右に、段ではない独立した枠「専門知識(Specialty)特定の分野を深く問う」がある。下に灰色の小さな文字で「このほかにビジネス向けの区分もある」、最下部に太字で「CLF は一番下の基礎レベル」

この節の要点です。

  • 経験の目安で 基礎 → アソシエイト → プロフェッショナル
  • CLF は基礎レベルで、経験は必須ではない
  • 専門知識・ビジネス向けは別の区分。最新は公式ページで確認

CLF の位置づけ

CLF は、AWS Certified Cloud Practitioner の試験コード「CLF-C02」の頭の3文字で、この講座ではこの資格の呼び名としても使います。日本語のページでは「AWS 認定クラウドプラクティショナー」とも書かれます。特定の職種に絞らず、AWS とクラウドの全体を広く浅く問うのが特徴です。

末尾の C02 は試験の版を表す番号で、内容が改訂されると変わります(前の版は CLF-C01)。2026年10月26日時点では、AWS 公式のページに CLF-C02 の後継の版の発表は見つかりませんでした。

上の資格として Solutions Architect – Associate などがありますが、この講座は CLF に合格する深さまでを扱います。

この節の要点です。

  • CLF は AWS 全体を広く浅く問う基礎の資格
  • 試験コードは CLF-C02(C02 は版の番号)
  • この講座は CLF 合格の深さまでを扱う

誰向けの資格か

「自分は受けてよいのか」という最初の相談に、公式の言い方で答えます。

  • 試験ガイドの対象:AWS クラウドの設計・実装・運用の経験が6か月以下の人。キャリアの初期の人や、AWS で役割を担う人と一緒に働く人
  • 職種は問わない:特定の職務に限らず、AWS クラウドの全体的な理解を示したい人
  • IT の経験は必須でない:AWS 認定の CLF のページは、IT やクラウドの経験がない人や、営業・マーケティング・製品やプロジェクトの管理などの業務の人を例に挙げる
  • 6か月の経験も必須でない:AWS 認定の CLF のページは、使用経験は必須ではないとする
  • 推奨される知識:試験ガイドは、クラウドの考え方、クラウドでのセキュリティとコンプライアンス(法令や規則を守ること)、主要なサービス、クラウドのエコノミクス(費用の面から見た仕組み)の知識を挙げる
  • この講座:前提の知識を置かず、推奨される知識を一から学ぶ

試験ガイドは、受験する人に上の知識を求めています。この講座は、その知識を全14回で順に身につける形で進めます。つまり、冒頭の1つ目の相談への答えは、「経験は必須ではない。IT やクラウドの経験がない人や、営業などの業務の人も想定されている」です。

出典(2026年10月26日時点):試験ガイド


問われること

試験では、何が問われるのでしょうか。試験ガイドの導入にある受験者の能力の説明と、分野の名前をもとに、4つに言い換えて並べます。

  • 何に使うサービスか:コンピューティング・ストレージ・データベース・ネットワークなど、主要なサービスの役割を説明し、用途に合うものを見分ける
  • クラウドの考え方:AWS クラウドの価値と、設計の指針(Well-Architected フレームワーク)を理解する
  • セキュリティの責任の分け方:責任共有モデル(AWS と利用者が守る範囲を分ける考え方)と、セキュリティの基本を理解する
  • 料金とサポート:クラウドの費用の仕組み、請求の方法、サポートの種類を理解する
  • 共通点:どれも「何に使うか」「どれを選ぶか」の知識。手順の暗記ではない

ここは入口の一覧で、分野と配点は第01回③の「4つの分野と配点」の節で扱います。

出典(2026年10月26日時点):試験ガイド


問われないこと(対象外の作業)

次は、問われないことです。試験ガイドは、受験者が行うことを想定していない作業を示しています。この一覧もすべてを網羅するものではありません。

対象外の作業意味この講座での扱い
コーディングプログラムを書くこと扱わない
クラウドアーキテクチャの設計目的に合わせて構成を組み立てること設計の指針の考え方だけ第11回(Well-Architected と設計原則)で扱う
トラブルシューティング不具合の原因を調べて直すこと扱わない
実装設定して実際に動かすこと扱わない
負荷テストとパフォーマンステスト大量のアクセスで性能を確かめること扱わない

「意味」の列は、読者向けに添えた説明です(試験ガイドの文ではありません)。

前の節の「問われること」と、この節の「問われないこと」を、1枚にまとめた図です。問われるのは「何に使うか・どれを選ぶか」の知識で、問われないのは「作る・直す・動かす」作業、と覚えておくと整理しやすくなります。

試験で問われることと、問われないこと(対象外の作業)を左右に並べて比べた図。左の見出し「問われること」の下に4つの項目。「何に使うサービスか」(コンピューティング・ストレージ・データベース・ネットワークなど、主要なサービスの役割を説明し、用途に合うものを見分ける)、「クラウドの考え方」(AWS クラウドの価値と、設計の指針(Well-Architected フレームワーク)を理解する)、「セキュリティの責任の分け方」(責任共有モデル(AWS と利用者が守る範囲を分ける考え方)と、セキュリティの基本を理解する)、「料金とサポート」(クラウドの費用の仕組み、請求の方法、サポートの種類を理解する)。右の見出し「問われないこと(対象外の作業)」の下に5つの作業。「コーディング」(プログラムを書くこと。この講座での扱い:扱わない)、「クラウドアーキテクチャの設計」(目的に合わせて構成を組み立てること。この講座での扱い:設計の指針の考え方だけ第11回で扱う)、「トラブルシューティング」(不具合の原因を調べて直すこと。この講座での扱い:扱わない)、「実装」(設定して実際に動かすこと。この講座での扱い:扱わない)、「負荷テストとパフォーマンステスト」(大量のアクセスで性能を確かめること。この講座での扱い:扱わない)。最下部の帯は「共通点:どれも「何に使うか」「どれを選ぶか」の知識。手順の暗記ではない」。

出典(2026年10月26日時点):試験ガイド


CLF で身につくもの

CLF の学習で身につくのは、AWS を操作する腕前ではなく、AWS とクラウドの共通の言葉と全体像です。たとえば「この目的ならどのサービスか」が言えれば、エンジニアや顧客との会話で、話題に置いていかれにくくなります。

AWS は、この資格を、IT の経験がない人がクラウドの仕事へ進む入口や、営業などの業務の人が基礎的なクラウドの知識を得る手段として位置づけています。全体の地図を持っておくと、アソシエイトなど上の資格や、仕事で触れるサービスを学ぶときに、どこに何があるかが分かります。その意味で、CLF の勉強は、資格を取ること以上に、次の学習の最初の一歩になります。

この節の要点です。

  • 身につくのは AWS とクラウドの共通の言葉
  • チームでの会話についていける土台になる
  • 次の学習で迷わないための地図になる

冒頭の2つ目の相談(営業の仕事で AWS の話が出る)の方にとっても、CLF は「サービスの名前と役割を共通の言葉で話せるようになる」ための資格です。


考えてみよう

  1. 自分の今の仕事や経験は、AWS 認定の3つの段(基礎・アソシエイト・プロフェッショナル)のどこから始めるのが自然でしょうか。理由も合わせて、自分の言葉で説明してみてください
  2. 「問われること」の4つと「問われないこと」の5つを、何も見ずに挙げてみてください。その中で、自分がいちばん苦手に感じるのはどれでしょうか
  3. 資格を取ることのほかに、CLF を学ぶことで仕事や次の学習にどう役立ちそうか、1つ具体的に書いてみてください

ヒント:1 は「AWS 認定のレベル」と「誰向けの資格か」、2 は「問われること」と「問われないこと(対象外の作業)」、3 は「CLF で身につくもの」の節を見直してください。


まとめ

  • CLF(試験コード CLF-C02)は、AWS 認定の一番下の基礎(Foundational)レベルの資格で、AWS とクラウドの全体を広く浅く問う
  • IT の経験・6か月の使用経験は必須ではない。試験ガイドの対象は、AWS クラウドの経験が6か月以下の人
  • 試験ガイドが推奨する知識は、クラウドの考え方、セキュリティとコンプライアンス、主要なサービス、クラウドのエコノミクスの4つ
  • 問われるのは「何に使うか・どれを選ぶか」の知識で、コーディング・設計・トラブルシューティング・実装・負荷テストは対象外の作業
  • 身につくのは、AWS を操作する腕前ではなく、AWS とクラウドの共通の言葉と全体像
  • 試験の情報は2026年10月26日時点。受験の前に公式ページで確かめる
  • この連載は非公式。講座の第02回以降は、資料ができ次第、この連載に足す

次は、第01回②で、試験の形式(問題数・時間・受験料・設問の種類)と、合格基準(換算スコア700点・補整型の採点)を扱います。


連載「AWS クラウドプラクティショナー試験対策講座」

  1. 第01回① CLF はどんな資格か(AWS 認定のレベル・CLF の位置づけ・誰向けか・問われること/問われないこと・身につくもの)(この記事)
  2. 第01回② 試験の形式と合格基準(試験の基本情報・2種類の設問・採点される50問・換算スコアと合格点・補整型・結果・受験の流れ・再受験と有効期間)
  3. 第01回③ 出題の範囲と配点(4つの分野と配点・試験ガイドの組み立て・分野ごとのタスク・配点と学ぶ量・対象外のサービス)
  4. 第01回④ 講座の進め方と学び方(全14回の地図・深さの印・学び方の輪・公式の学習リソース・AWS を触るときの注意・問題文の読み方・早見表)
  5. 第02回① クラウドとは(3つの特徴・オンプレミスとの違い・使い始めるまでの速さ・IaaS/PaaS/SaaS・デプロイモデルと選び方)
  6. 第02回② AWS クラウドの利点(価値提案・6つのメリット・高可用性・伸縮性・俊敏性・例で見分ける)
  7. 第02回③ クラウドエコノミクス(固定費と変動費・オンプレミスのコスト・総保有コスト・規模の経済・適切なサイジング・BYOL・オートメーション)
  8. 第02回④ 第02回のまとめ(この回の見分け方・要点・参考資料・次の回の予告)

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